かゝ)” の例文
受取うけとり再三よく/\見終り如何にも斯樣に委しき證據あれば概略あらましは知たりと云つゝ又熟々思案するに斯る事にかゝり居ては面倒なり山内めを呼出よびいだし渠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それからその一家の経済的窮状や、死活問題のかゝっている鉱山の話などしながら、次ぎ次ぎに運ばれる料理を食べていた。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
實に人の心念の機微にかゝつて居るものであつて、一心一念の善良なる働は、何程の福を將來に生ずるかも知れぬのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
黄昏たそがれやうや其處そこかゝつた高瀬船たかせぶねが、其處そこらで食料しよくれうもとあるいておそ晩餐ばんさんすましてまだねむらずにたのであつたらう。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夏の詩の最後の一首は松平露姫つゆひめの事にかゝる。露姫は松平縫殿頭定常ぬひのかみさだつねむすめである。幼にして書画歌俳を善くした。二年前疱瘡にかゝり、六歳にして夭した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ロレ さ、はやきゃれ。さらばぢゃ。貴下こなた幸運かううんたゞこのひとつにかゝる、夜番よばんかれぬうちに出立しゅったつするか、さなくば夜明よあくるころ姿すがたやつしてこのまちとほざかるか、ふたつにひとつぢゃ。
偶然ひよつとかれにはか透明とうめいつた空氣くうきなかからかけつて網膜まうまくそこにひつゝいたものゝやうにぽつちりと一つについたものがある。それはとほ上流じやうりうかゝつてちひさなふねであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
土井はかゝつてゐる舟へとおりて行つた。そしていつもの通り牡蠣雑炊を注文した。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
おれが自分の材幹さいかん値遇ちぐうとによつて、吏胥りしよとしてげられるだけの事を成し遂げた上で、身を引いた天保てんぱう元年は泰平であつた。民の休戚きうせき米作べいさく豊凶ほうきようかゝつてゐる国では、豊年は泰平である。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)