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絶叫
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ぜつけう
外套は
日蔭町物の
茶羅紗を
黄に
返したやうな、
重いボテ/\したのを着て、
現金でなくちや
可かんよとなどゝ
絶叫する
様は、
得易からざる
奇観であつたらうと
想はれる
而るに今や利根水源を
確定して、加ふるに上越の国界を
明にするを得、衆皆
絶叫快と
呼ぶ、其勢上越の深山も
崩るるが如し、深井君
直ちに鋭刀を
揮ふて白檜の大樹皮を
彫り
(やあ、
人参と
干瓢ばかりだ、)と
踈匆ツかしく
絶叫した、
私の
顔を
見て
旅僧は
耐へ
兼ねたものと
見える、
吃々と
笑ひ
出した、
固より
二人ばかりなり、
知己にはそれから
成つたのだが
國民はこゝにおいてか
眞劍に
耐震的建築の
大成を
絶叫しつゝあるのである。(完)
端艇を
覆へす
懼があるので
今しも
右舷間近に
泳いで
來た三四
尺の
沙魚、『
此奴を。』と
投込む
餌の
浪に
沈むか
沈まぬに、
私は『やツ。しまつた。』と
絶叫したよ。
『
海蛇丸來!
海蛇丸來!。』と
私が
絶叫した
時、
虎髯大尉は
身を
翻へして
戰鬪樓の
方へ
走り
去つた。