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紙片
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かみぎれ
ふりがな文庫
“
紙片
(
かみぎれ
)” の例文
「なに札は大丈夫だ。ほかの
紙片
(
かみぎれ
)
と違って活きてるから。こうやって、手で
障
(
さわ
)
って見るとすぐ分るよ。
隠袋
(
ポケット
)
の中で、ぴちぴち
跳
(
は
)
ねてる」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると、英軍の塹壕から、小石を
包
(
くる
)
んだ
紙片
(
かみぎれ
)
が一つ、独軍の塹壕に
投
(
ほ
)
り込まれた。なかにはこんな文句があつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
引き返した道々、ふつとこの長屋の角の家を見ると、名刺の裏か何かに「タルノ」と片仮名で書いた
紙片
(
かみぎれ
)
が貼つてあつたのを、お妙が見出したのであつた。
お蝶の訪れ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
靴、靴下、
手套
(
てぶくろ
)
、美しい上衣、それから見事な帽子、雨傘——すべて、上等な高価な品ばかりでした。その上、上衣のポケットには、こんなことを書いた
紙片
(
かみぎれ
)
が、ピンで留めてありました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
でまたその
紙片
(
かみぎれ
)
を取り出して、自分のようで
他人
(
ひと
)
のような、長いようで短かいような、出るようで
這入
(
はい
)
るようなという句を
飽
(
あ
)
かず
眺
(
なが
)
めた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
疊
(
たゝみ
)
迄
(
まで
)
熱
(
あつ
)
くなつた
座敷
(
ざしき
)
の
眞中
(
まんなか
)
へ
胡坐
(
あぐら
)
を
掻
(
か
)
いて、
下女
(
げぢよ
)
の
買
(
か
)
つて
來
(
き
)
た
樟腦
(
しやうなう
)
を、
小
(
ちひ
)
さな
紙片
(
かみぎれ
)
に
取
(
と
)
り
分
(
わ
)
けては、
醫者
(
いしや
)
で
呉
(
く
)
れる
散藥
(
さんやく
)
の
樣
(
やう
)
な
形
(
かたち
)
に
疊
(
たゝ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
不圖
(
ふと
)
小六
(
ころく
)
が
斯
(
こ
)
んな
問
(
とひ
)
を
御米
(
およね
)
に
掛
(
か
)
けた。
御米
(
およね
)
は
其時
(
そのとき
)
疊
(
たゝみ
)
の
上
(
うへ
)
の
紙片
(
かみぎれ
)
を
取
(
と
)
つて、
糊
(
のり
)
に
汚
(
よご
)
れた
手
(
て
)
を
拭
(
ふ
)
いてゐたが、
全
(
まつた
)
く
思
(
おもひ
)
も
寄
(
よ
)
らないといふ
顏
(
かほ
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
畳まで熱くなった座敷の真中へ
胡坐
(
あぐら
)
を
掻
(
か
)
いて、下女の買って来た
樟脳
(
しょうのう
)
を、小さな
紙片
(
かみぎれ
)
に取り分けては、医者でくれる散薬のような形に畳んだ。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただその分らないところに妙な
趣
(
おもむき
)
があるので、忘れないうちに、婆さんの云った通りを
紙片
(
かみぎれ
)
に書いて机の
抽出
(
ひきだし
)
へ入れた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御米はその時畳の上の
紙片
(
かみぎれ
)
を取って、糊に
汚
(
よご
)
れた手を拭いていたが、全く思も寄らないという顔をした。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お延が礼を云って書物を
膝
(
ひざ
)
の上に置くと、叔父はまた
片々
(
かたかた
)
の手に持った小さい
紙片
(
かみぎれ
)
を彼女の前に出した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三沢は病院の二階に「あの女」の
馴染客
(
なじみきゃく
)
があって、それが「お前胃のため、わしゃ腸のため、共に苦しむ酒のため」という
都々逸
(
どどいつ
)
を
紙片
(
かみぎれ
)
へ書いて、あの女の所へ届けた上
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長さ一尺五寸幅一尺ほどな青表紙の手帳を約十冊ばかり
併
(
なら
)
べて、先生はまがな
隙
(
すき
)
がな、
紙片
(
かみぎれ
)
に書いた文句をこの青表紙の中へ書き込んでは、
吝坊
(
けちんぼう
)
が穴の
開
(
あ
)
いた
銭
(
ぜに
)
を
蓄
(
ため
)
るように
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時向うの戸が
開
(
あ
)
いて、
紙片
(
かみぎれ
)
を持った書生が野中さんと宗助を手術室へ呼び入れた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其時
(
そのとき
)
向
(
むか
)
ふの
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、
紙片
(
かみぎれ
)
を
持
(
も
)
つた
書生
(
しよせい
)
が
野中
(
のなか
)
さんと
宗助
(
そうすけ
)
を
手術室
(
しゆじゆつしつ
)
へ
呼
(
よ
)
び
入
(
い
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は停車場の壁へ
紙片
(
かみぎれ
)
を
宛
(
あ
)
てがって、その上から鉛筆で母と兄あてで手紙を書いた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから仕方がないから台所へ行って
紙片
(
かみぎれ
)
へ飯粒を
貼
(
は
)
ってごまかしてやったあね
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“紙片”の意味
《名詞》
紙切れ。
(出典:Wiktionary)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“紙”で始まる語句
紙
紙幣
紙鳶
紙屑
紙燭
紙入
紙袋
紙縒
紙捻
紙芝居