窮屈きゆうくつ)” の例文
それもうあらうかとはゝなどはしきりにいやがるのでわしあしんでる、無論むろん病院びやうゐんけば自宅じたくちがつて窮屈きゆうくつではあらうが
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そりや下宿げしゆくからこんなところうつるのはかあないだらうよ。丁度ちやうど此方こつち迷惑めいわくかんずるとほり、むかふでも窮屈きゆうくつかんずるわけだから。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
赤熊百合しやぐまゆり、王の御座所ござしよ天幕てんと屋根飾やねかざり、夢をちりばめたしやく埃及王ばろ窮屈きゆうくつな禮服を無理にせられた古風こふう女王ぢよわう
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
先生せんせい生活せいくわつけつして英雄えいゆう豪傑がうけつふうではありません、けれども先生せんせいまこと生活せいくわつをしてゐるのです、先生せんせいけつして村學究そんがくきうらしい窮屈きゆうくつ生活せいくわつ、ケチ/\した生活せいくわつはしてません
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
また時間じかん一時間いちじかんづゝきまつて勉強べんきようするようには出來できてをりませんから、たれでも博物館はくぶつかんつたひとは、自由じゆう勉強べんきよう出來でき時間じかんにしばられるといふ窮屈きゆうくつおもひはありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ほとんの目も離さぬほど自分のおこなひを目戍みまもつてるらしい母親の慈愛じあい窮屈きゆうくつたまらないだけ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それも下女げぢよ臺所だいどころはたらいてゐるときは、だしもだが、きよかげおともしないとなると、なほことへん窮屈きゆうくつかんじがおこつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二三ぷんして、細君さいくん障子しやうじ硝子がらすところかほせて、縁側えんがはてゐるをつと姿すがたのぞいてた。をつとはどう了見れうけん兩膝りやうひざげて海老えびやう窮屈きゆうくつになつてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)