空模樣そらもやう)” の例文
新字:空模様
うそさぶしとひしも二日ふつか三日みつか朝來あさよりもよほす薄墨色うすずみいろ空模樣そらもやう頭痛づつうもちの天氣豫報てんきよはう相違さうゐなく西北にしきたかぜゆふぐれかけて鵞毛がもう柳絮りうじよかはやちら/\とでぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その上、今日の空模樣そらもやうも少からずこの平安朝へいあんてうの下人の Sentimentalisme に影響えいきやうした。さるの刻下りからふり出した雨は、未にあがるけしきがない。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
那樣事そんなことらぬな。わし目下いま空模樣そらもやうさへおまへさんにかれたので、やつといたくらゐぢやもの。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
空模樣そらもやうあやしくつて、うも、ごろ/\とさうだとおもふと、可恐こはいものたさで、わるいとつた一方いつぱう日光につくわう一方いつぱう甲州かふしう兩方りやうはうを、一時いちじのぞかずにはられないからで。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちやうど、空模樣そらもやうくも同一おなじどんよりとして、くもうごはうへ、一所いつしようごいて、時々とき/″\、てら/\とてん薄日うすびすと、ひかりけて、晃々きら/\ひかるのが、ぬまおもてまなこがあつて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
空模樣そらもやうは、そのくせほし晃々きら/\して、澄切すみきつてながら、かぜ尋常じんじやうならずみだれて、時々とき/″\むく/\と古綿ふるわたんだ灰色はひいろくも湧上わきあがる。とぽつりとる。るかとおもふと、さつまたあらびたかぜ吹拂ふきはらふ。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
千々ちゞくだけてなみも、ゆきや!ゆきおもらるゝ空模樣そらもやう
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)