異常いじやう)” の例文
それがいへかへればたゞちくるしい所帶しよたいひとらねばならぬ。そこにおつぎのこゝろ別人べつにんごと異常いじやうめられるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
外國ぐわいこく金利きんり數年來すうねんらい比較的ひかくてきたかいのに、日本にほん金利きんり昭和せうわねん以來いらい異常いじやうやすいのであるから金解禁きんかいきん出來でき爲替相場かはせさうば安定あんていしたならば日本にほん資金しきん外國ぐわいこく流出りうしゆつするであらう
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
異常いじやう場合ばあひには、もとより産婆さんばうでけるよりほか仕樣しやうのないもので、經驗けいけんのあるばあさんなら、げるときに、うまくびゝつたえなはづしてはずであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
べつ特別とくべついたむわけでもなく外面ぐわいめんからも右足うそく膝關節しつくわんせつは、なんの異常いじやうもなかつたのであるけれども、自由じいう曲折きよくせつ出來できないめに、學校がくかうでは作法さはふ體操たいさうやすまなければならなかつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
勘次かんじ彼等かれら仲間なかまである。しかしながらかれ境遇きやうぐう異常いじやう刺戟しげきから寸時すんじ安住あんぢゆうせしむる餘裕よゆうたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじ異常いじやう勞働らうどうによつて報酬はうしうようとする一ぱうに一せんいへど容易よういふところげんじまいとのみ心懸こゝろがけてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)