番小屋ばんごや)” の例文
「そうですか。ありがとうございました。そんなら一寸ちょっとむこうの番小屋ばんごやまでおいで下さい。お茶でもさしあげましょう。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
どくらしい。……一々いち/\、そのぽぷらに間近まぢか平屋ひらやのある、あらものばあさんを、つじ番小屋ばんごやからすのは。——こゝでわかつた——植木屋うゑきや親方おやかただ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
木戸きど番小屋ばんごやの前に、七人の部下ぶかやりをつかんだまま悶々もんもんとのた打っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
番小屋ばんごやはいるとすぐ飛出とびだしてあそんであるいて、かへると、御飯ごはんべて、そしちやあよこになつて、母様おつかさん気高けだかうつくしい、頼母たのもしい、温当おんたうな、そしてすこせておいでの
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
馬鹿ばかだといふものやら、番小屋ばんごや媽々かゝ此奴こいつうかしてらあ、といふものやら、みんなけだものだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
停車場ステーシヨンの一ぱうはしつて、構内こうないはづれのところに、番小屋ばんごやをからくりでせるやうな硝子窓がらすまど小店こみせがあつて、ふう/\しろ湯気ゆげまど吹出ふきだしては、ともしびうす
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このえのきしたはこのやうな、ちひさな、番小屋ばんごやてゝ、其処そこ母様おつかさん二人ふたりんでたので、はし粗造そざうな、宛然まるではせといつたやうなこしらかたくいうへいたわたしてたけ欄干らんかんにしたばかりのもので
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)