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番小屋
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ばんごや
「そうですか。ありがとうございました。そんなら
一寸向うの
番小屋までおいで下さい。お茶でもさしあげましょう。」
氣の
毒らしい。……
一々、そのぽぷらに
間近く
平屋のある、
荒もの
屋の
婆さんを、
辻の
番小屋から
呼び
出すのは。——こゝで
分つた——
植木屋の
親方だ。
木戸の
番小屋の前に、七人の
部下が
槍をつかんだまま
悶々とのた打っている。
番小屋へ
入ると
直飛出して
遊んであるいて、
帰ると、
御飯を
食べて、そしちやあ
横になつて、
母様の
気高い
美しい、
頼母しい、
温当な、そして
少し
痩せておいでの
馬鹿だといふものやら、
番小屋の
媽々に
似て
此奴も
何うかして
居らあ、といふものやら、
皆獣だ。
停車場の一
方の
端を
取つて、
構内の
出はづれの
処に、
火の
番小屋をからくりで
見せるやうな
硝子窓の
小店があつて、ふう/\
白い
湯気が
其の
窓へ
吹出しては、
燈に
淡く
濃く
此榎の
下に
箱のやうな、
小さな、
番小屋を
建てゝ、
其処に
母様と
二人で
住んで
居たので、
橋は
粗造な、
宛然、
間に
合はせといつたやうな
拵え
方、
杭の
上へ
板を
渡して
竹を
欄干にしたばかりのもので