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玉垣
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たまがき
ふりがな文庫
“
玉垣
(
たまがき
)” の例文
彌次馬を別けて
入
(
はひ
)
つて見ると、
玉垣
(
たまがき
)
の下、紅白の鈴の緒で
縛
(
しば
)
られた堂守の死體を前に、錢形平次は腕を
拱
(
こまぬ
)
いて考へて居るところでした。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天皇は、
沙本毘古王
(
さほひこのみこ
)
という方のお妹さまで
沙本媛
(
さほひめ
)
とおっしゃる方を皇后にお
召
(
め
)
しになって、
大和
(
やまと
)
の
玉垣
(
たまがき
)
の宮にお移りになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
玉垣
(
たまがき
)
を照らしている
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
の
灯影
(
ほかげ
)
によく見ると、それこそ、
裾野
(
すその
)
の
危地
(
きち
)
を斬りやぶって、
行方
(
ゆくえ
)
をくらました
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
と、
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
のふたりであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人は燈籠と燈籠の間をお廊下だと云つて通つたり、二階から降りませうと云つて下へ降りたり、花園へ行くと云つて
玉垣
(
たまがき
)
の
傍
(
そば
)
に生えた草を摘んだりして居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
古色のある
玉垣
(
たまがき
)
の中に、新しい
花崗石
(
くわかうせき
)
の柱を立てゝ、それに三沢初子之墓と題してある。それを見ると、近く亡くなつた女学生の墓ではないかと云ふやうな感じがする。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
板宮
(
いたみや
)
かまたは
厨子
(
ずし
)
のような物でもいい、とにかく御同殿の物のない一座ぎりのところで、本殿の後ろの社外に
空地
(
あきち
)
もあろうから、そんな
玉垣
(
たまがき
)
の内にでも安置してもらいたい。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
玉垣
(
たまがき
)
をめぐらしたその小高い御陵は、
鬱蒼
(
うっそう
)
たる雑木に
蔽
(
おお
)
いつくされ、昼なお暗い樹間には、
古
(
いにしえ
)
の
栄耀
(
えいよう
)
を思わすごとく
蔦葛
(
つたかずら
)
の美しく紅葉して垂れさがっているのが仰ぎ見られた。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
唯有
(
とあ
)
る横町を西に切れて、
某
(
なにがし
)
の神社の石の
玉垣
(
たまがき
)
に沿ひて、だらだらと
上
(
のぼ
)
る道狭く、
繁
(
しげ
)
き木立に南を
塞
(
ふさ
)
がれて、残れる雪の
夥多
(
おびただし
)
きが
泥交
(
どろまじり
)
に踏散されたるを、
件
(
くだん
)
の車は
曳々
(
えいえい
)
と
挽上
(
ひきあ
)
げて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
伊久米伊理毘古伊佐知
(
いくめいりびこいさち
)
の命
一
、
師木
(
しき
)
の
玉垣
(
たまがき
)
の宮
二
にましまして、天の下治らしめしき。この天皇、
沙本毘古
(
さほびこ
)
の命が妹、
佐波遲
(
さはぢ
)
比賣の命
三
に娶ひて、生みませる御子、
品牟都和氣
(
ほむつわけ
)
の命一柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
熱あるものは、
楊柳
(
ようりゅう
)
の露の
滴
(
したたり
)
を吸うであろう。恋するものは、
優柔
(
しなやか
)
な
御手
(
みて
)
に
縋
(
すが
)
りもしよう。
御胸
(
おんむね
)
にも
抱
(
いだ
)
かれよう。はた迷える人は、緑の
甍
(
いらか
)
、
朱
(
あけ
)
の
玉垣
(
たまがき
)
、金銀の柱、
朱欄干
(
しゅらんかん
)
、
瑪瑙
(
めのう
)
の
階
(
きざはし
)
、
花唐戸
(
はなからど
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本社
(
ほんしゃ
)
は大工が誰で、
蒔絵
(
まきえ
)
が
円斎
(
えんさい
)
、拝殿、
玉垣
(
たまがき
)
、
唐門
(
からもん
)
、
護摩堂
(
ごまどう
)
、
神楽殿
(
かぐらでん
)
、
神輿舎
(
みこしや
)
、廻廊、
輪蔵
(
りんぞう
)
、
水屋
(
みずや
)
、
厩
(
うまや
)
、
御共所
(
おともじょ
)
……等、それぞれ持ち場持ち場にしたがって、人と仕事がこまかにわかれている。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
社の
玉垣
(
たまがき
)
を後ろに取って、天蓋は取らず。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
祈
(
いの
)
らん者と一
※
(
づ
)
に思ひ
込
(
こみ
)
しかば夫よりして秋葉山へ
遙々
(
はる/″\
)
と登しが本社は
女人禁制
(
によにんきんせい
)
なるゆゑ上る事ならず因て
玉垣
(
たまがき
)
の外にて
祈
(
いの
)
り居しに
早晩
(
いつしか
)
夜に入ければいざや私が家へ戻らんと
崖
(
がけ
)
の道へ來
掛
(
かゝ
)
るに
茶店
(
ちやみせ
)
の
仕舞
(
しまひ
)
たるが在しにぞ是れ
屈竟
(
くつきやう
)
なりと
笹
(
さゝ
)
の葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
八幡
(
はちまん
)
の
玉垣
(
たまがき
)
の前へならんでいた夜店の
燈籠売
(
とうろうう
)
りがとなりの者へはなしかけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は相手の態度にすっかり気を許して、石の
玉垣
(
たまがき
)
の崩れたのに腰を掛けます。
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
浴衣を着て
涼台
(
すゞみだい
)
へ出ますと、もう
祭提灯
(
まつりちやうちん
)
で街々が明くなつて居ます。私の町内の提灯は、皆
冑
(
かぶと
)
の絵がかいてあるのでした。隣町は大と云ふ字、そのまた隣町は
鳥居
(
とりゐ
)
と
玉垣
(
たまがき
)
の絵だつたと覚えて居ます。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
玉垣
(
たまがき
)
の下へ死體を投り出して置くといふのは、あまりに念入りな頭の惡さです。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“玉垣”の解説
玉垣(たまがき)とは、神社・神域の周囲にめぐらされる垣のことである。瑞垣(みずがき)ともいう。
(出典:Wikipedia)
玉
常用漢字
小1
部首:⽟
5画
垣
常用漢字
中学
部首:⼟
9画
“玉垣”で始まる語句
玉垣三郎兵衛