よし)” の例文
行末が案じられる、盆画なんぞよしにして手習をしてくれと、そこで発心をなすったんだが、なあにもう叩き止めッちまうがうごす。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よしよ。今じゃあ痛くもなんともないが、打たれた時にあ痛かったよ。だって布袋竹ほていちく釣竿つりざおのよくしなやつでもってピューッと一ツやられたのだもの。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
君はソンナ事をして居るのか、危ない事だ、マアよしにした方がかろうと云たくらいのことである。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
亥之助も何か極りを惡がつて其樣な物はおよしなされと言ふし、十五夜にあげなんだから片月見に成つても惡るし、喰べさせたいと思ひながら思ふばかりで上る事が出來なんだに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よしなさいな、貴方はあのに未練があるので…旦那は一度半治さんを掛合にお遣んなすったら縁付いたと聞いて、諦めても矢張やっぱり惚れて居るので……貴方が穴掘の形は團十郎が狸の角兵衞を
段右衞門に向ひ是々これ/\重四郎ではない段右衞門殿そんな譯のわからぬ強情がうじやうよしにしろ今奉行ぶぎやう樣のおつしやる通りだ幾等いくら其方そなたかくして白状ねばとていのちつながる事は金輪こんりんざいありねへそれ迚も三五郎と申合したかは知ねヱが今となつては未練みれんな男だまことくるしみをしみの人間にんげんだなア掃部や藤兵衞茂助の二人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「何にせい、夜分出歩行であるくのは、若い人に良くないてや、留守の気を着けるのが面倒なではないけれども、大概ならよしにさっしゃるがかろうに。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
亥之助ゐのすけなにきまりをるがつて其樣そのやうものはおよしなされとふし、十五にあげなんだから片月見かたつきみつてもるし、べさせたいとおもひながらおもふばかりであげこと出來できなんだに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
持て御出なさる樣子是から先は松原で寂寞さびしい道だ見ればまだ御年も行ぬ御若衆御一人にては不用心どう駕籠かごに乘て御出なせへと云に半四郎は大にこまり夫は/\御前方御深切にさう云てくださるゝが私しはどうも駕籠がきらひなりれども生質うまれつき仕合に足が達者で日に廿里三十里はらく歩行あるきますから先駕籠はよしに仕ませうと草鞋わらぢひも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亥之助も何かきまりを悪るがつてその様な物はおよしなされと言ふし、十五夜にあげなんだから片月見かたつきみに成つても悪るし、喰べさせたいと思ひながら思ふばかりで上る事が出来なんだに
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)