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橋詰
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はしづめ
ふりがな文庫
“
橋詰
(
はしづめ
)” の例文
烟が散つてから見れば、もう敵は退いて、道が
橋向
(
はしむかう
)
まで開いてゐる。
橋詰
(
はしづめ
)
近く進んで見ると、
雑人
(
ざふにん
)
が一人打たれて死んでゐた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と
呟
(
つぶや
)
いて
一
(
ひと
)
ツ
溜息
(
ためいき
)
する。……
橋詰
(
はしづめ
)
から
打向
(
うちむか
)
ふ
眞直
(
まつすぐ
)
な
前途
(
ゆくて
)
は、
土塀
(
どべい
)
の
續
(
つゞ
)
いた
場末
(
ばすゑ
)
の
屋敷町
(
やしきまち
)
で、
門
(
かど
)
の
軒
(
のき
)
もまばらだけれども、
其
(
それ
)
でも
兩側
(
りやうがは
)
は
家續
(
いへつゞ
)
き……
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
危険
(
あぶ
)
ない」と
車夫
(
くるまや
)
が叫んだ拍子にどんと
橋詰
(
はしづめ
)
の
砂利道
(
ざりみち
)
の上に、私を
突倒
(
つきたお
)
して行ってしまった。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
橋の上には
数多
(
たくさん
)
の人が
往来
(
ゆきき
)
をしており、短い橋の左の
橋詰
(
はしづめ
)
の活動写真館からは騒ぞうしい物音が聞え、また右の橋詰の三階になった牛肉屋からも客の声が騒がしく聞えていたが
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
荒町は馬籠の宿内の
小名
(
こな
)
で、
路傍
(
みちばた
)
にあらわれた岩石の多い
橋詰
(
はしづめ
)
の辺を間に置いて、馬籠の本宿にかかる。なだらかな谷間を走って来る水は街道を横切って、さらに深い
谿
(
たに
)
へと落ちて行っている。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
中には弁当持参で
橋詰
(
はしづめ
)
に頑張って、暗い内から動かないのもあります
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
橋詰
(
はしづめ
)
の交番の巡査は、橋上の黒山に不審を
抱
(
いだ
)
いて、さい
前
(
ぜん
)
から群衆の中に混っていた。無論彼は福田氏の顔を知らなかったけれど、流れて来たのが人間の生首と分ると、打捨てて置く訳には行かぬ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
桃山から帰て火事場に働く塾中
兎角
(
とかく
)
貧生
(
ひんせい
)
が多いので料理茶屋に
行
(
いっ
)
て旨い魚を
喰
(
く
)
うことは
先
(
ま
)
ず
六
(
むず
)
かしい。夜になると天神橋か天満橋の
橋詰
(
はしづめ
)
に
魚市
(
さかないち
)
が立つ。マア
云
(
い
)
わば魚の
残物
(
ひけもの
)
のようなもので
直
(
ね
)
が安い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その人は両国
橋詰
(
はしづめ
)
のある
書肆
(
ほんや
)
の女主人だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
橋詰
(
はしづめ
)
の
小店
(
こみせ
)
、荒物を
商
(
あきな
)
う家の亭主で、
身体
(
からだ
)
の
痩
(
や
)
せて
引緊
(
ひっしま
)
ったには似ない、
褌
(
ふんどし
)
の
緩
(
ゆる
)
い男で、
因果
(
いんが
)
とのべつ釣をして、はだけていましょう、
真
(
まこと
)
にあぶなッかしい形でな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また、また、西よりの
谷間
(
たにあい
)
にある稲作はどうかと心にかかって、半蔵らは馬籠の町内から
橋詰
(
はしづめ
)
、荒町の裏通りまで残らず見分に出かけた。中のかやから美濃境の新茶屋までも総見分を行なった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
海賊橋の
橋詰
(
はしづめ
)
の気取ったしもたや——。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
工事中
(
こうじちう
)
土瓦
(
つちかはら
)
のもり
上
(
あが
)
つた
海邊橋
(
うみべばし
)
を、
小山
(
こやま
)
の
如
(
ごと
)
く
乘
(
の
)
り
來
(
く
)
る
電車
(
でんしや
)
は、なだれを
急
(
きふ
)
に、
胴腹
(
どうばら
)
を
欄干
(
らんかん
)
に、
殆
(
ほとん
)
ど
横倒
(
よこだふ
)
しに
傾
(
かたむ
)
いて、
橋詰
(
はしづめ
)
の
右
(
みぎ
)
に
立
(
た
)
つた
私
(
わたし
)
たちの
横面
(
よこつら
)
をはね
飛
(
と
)
ばしさうに、ぐわんと
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
海賊橋の
橋詰
(
はしづめ
)
の氣取つたしもたや——。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
橋詰
(
はしづめ
)
の、あの
大樹
(
たいじゅ
)
の柳の枝のすらすらと
浅翠
(
あさみどり
)
した下を通ると、樹の根に一枚、
緋
(
ひ
)
の
毛氈
(
もうせん
)
を敷いて、四隅を美しい河原の石で
圧
(
おさ
)
えてあった。
雛市
(
ひないち
)
が立つらしい、が、
絵合
(
えあわせ
)
の貝一つ、
誰
(
たれ
)
もおらぬ。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
詰
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“橋詰”で始まる語句
橋詰町
橋詰愛平