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梟雄
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きょうゆう
ふりがな文庫
“
梟雄
(
きょうゆう
)” の例文
ましてや彼はこの時代における、
梟雄
(
きょうゆう
)
であって権臣であって、大目附であろうと若年寄であろうと、はばかったほどの勢力家であった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
例えば原敬のごときに対しては
奸獰
(
かんねい
)
邪智の
梟雄
(
きょうゆう
)
として心から憎悪を抱いていた。原敬の眼中にはただ自党の利益のみがあって国家がない。
蝸牛の角
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
天
耶
(
か
)
、
時
(
とき
)
耶、燕王の胸中
颶母
(
ばいぼ
)
まさに動いて、
黒雲
(
こくうん
)
飛ばんと欲し、
張玉
(
ちょうぎょく
)
、
朱能
(
しゅのう
)
等
(
ら
)
の猛将
梟雄
(
きょうゆう
)
、眼底紫電
閃
(
ひらめ
)
いて、雷火発せんとす。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
梟雄
(
きょうゆう
)
張作霖が亡んで学良と変っても、何ら満洲の対日関係は好転せず、かえって反対の傾向をたどり、学良政権を再び武力によって倒壊しなければ
私が張作霖を殺した
(新字新仮名)
/
河本大作
(著)
「つまり、誰か、このわしを
蹴落
(
けおと
)
そうという
不逞
(
ふてい
)
の部下が居て、わしに相談もしないで敵を攻めているのではなかろうか。そいつは、恐るべき
梟雄
(
きょうゆう
)
である!」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
鼻
(
はな
)
かけ
卜斎
(
ぼくさい
)
の名にそむかず、
容貌
(
ようぼう
)
こそ、いたってみにくいが、さすが
北越
(
ほくえつ
)
の
梟雄
(
きょうゆう
)
鬼柴田
(
おにしばた
)
の腹心であり、かつ
攻城学
(
こうじょうがく
)
の
泰斗
(
たいと
)
という
貫禄
(
かんろく
)
が、どこかに光っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嗚呼
(
ああ
)
、後年の
梟雄
(
きょうゆう
)
武蔵守輝勝、かの肖像畫に見るところの英姿
颯爽
(
さっそう
)
たる「武州公」が、今や桔梗の方の厠の真下にある坑道の
闇
(
やみ
)
に
土龍
(
もぐら
)
の如くうずくまっている様子は
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
古来英雄と称するものは
大抵
(
たいてい
)
奸雄
(
かんゆう
)
、
梟雄
(
きょうゆう
)
、悪雄の類である、ぼくはこれらの英雄を憎む、それと同時に
鎌足
(
かまたり
)
のごとき、
楠公
(
なんこう
)
のごとき、
孔子
(
こうし
)
のごとき、キリストのごとき
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
のみならず卿がシェクスピアを軽蔑していたわけは、シェクスピアがヴェニスの不良ユダヤ人シャイロックになればまた
唾棄
(
だき
)
すべき
梟雄
(
きょうゆう
)
ジョン・ケイドにもなりえたという点であろう
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
フランス革命の
梟雄
(
きょうゆう
)
マラーを一刀で刺殺して、「予は万人を救わんがために一人を殺せり」と、法廷で揚言した二十六歳の処女シャロット・コルデーは、処刑にのぞんで書をその父によせ
死刑の前
(新字新仮名)
/
幸徳秋水
(著)
これだけでも一部の小説とするに足る。また例えば
素藤
(
もとふじ
)
の如き、
妙椿
(
みょうちん
)
が現れて幻術で助けるようになってはツマラないが、浮浪の盗賊からとにかく一城の主となった経路には
梟雄
(
きょうゆう
)
の智略がある。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
弾正太夫とはいかなる者か? それは一個の豪傑であって、昔の身分は
美濃
(
みの
)
の
梟雄
(
きょうゆう
)
、斎藤道三の執事職の
脇屋刑部
(
わきやぎょうぶ
)
と云った武士。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「蒯越。足下も玄徳の毒にあてられるな。あれが真の君子なら世の中に悪党はない。彼は腹ぐろい
梟雄
(
きょうゆう
)
だ」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要するに一代の
梟雄
(
きょうゆう
)
たる彼も、一時に寄せて来た今日の不幸に、精神乱れ思慮衰え、一個の小人となったのであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
英雄にも、真の英雄と
梟雄
(
きょうゆう
)
とがある。梟雄に学才などあれば、かえって、自身を破滅し、主家を毒そう。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新将軍秀忠を
繞
(
めぐ
)
って、この新しい城府に移住していた天下の
梟雄
(
きょうゆう
)
や豪傑的な大名のあいだに伍しても、父の細川三斎のこけんを落すようなことは決してなかった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、その将監の
懐中刀
(
ふところがたな
)
として、縦横に策略を振るった者は
梟雄
(
きょうゆう
)
北条美作であった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして、かつて
軍神
(
いくさがみ
)
の
信玄
(
しんげん
)
が、
甲山
(
こうざん
)
の兵をあげて、
梟雄
(
きょうゆう
)
家康
(
いえやす
)
へ、
乾坤
(
けんこん
)
一
擲
(
てき
)
の
血戦
(
けっせん
)
をいどんだ
三方
(
みかた
)
ヶ
原
(
はら
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天草時行陰性の
梟雄
(
きょうゆう
)
、いつも薄暗い露路に巣くい、金儲けばかり考えている玉だ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いつどんな
梟雄
(
きょうゆう
)
が立って、どんな野心を奮い起さない限りもないのだ。
乱波者
(
らっぱもの
)
(おんみつ)はどこの城下へも入りこんで、枕を高くして寝ている国をさがしているのだ。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まさに
神采
(
しんさい
)
奕々
(
えきえき
)
として、
梟雄
(
きょうゆう
)
弾正太夫をさえ、
叱咜
(
しった
)
し去らん勢いである。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
越前
(
えちぜん
)
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
の
鬼柴田
(
おにしばた
)
といえば、弱肉強食の
乱世
(
らんせい
)
のなかでも、とくに恐ろしがられている
梟雄
(
きょうゆう
)
だのに、こんな美しい、情けの
持主
(
もちぬし
)
であろうとは、きょうまで
夢
(
ゆめ
)
にも知らなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その白色の雪の
彼方
(
あなた
)
、
突兀
(
とっこつ
)
と
聳
(
そび
)
える大山は、御嶽冠者の右腕として、石川五右衛門に上越す
梟雄
(
きょうゆう
)
、武者所
鬼王丸
(
おにおうまる
)
が、
砦
(
とりで
)
を築いて立てこもるところの、名さえ物々しい
大鼠山
(
おおねずみやま
)
! 今は霧巻き
靄
(
もや
)
立ち迷い
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それはあながち一箇の風雲児や一箇の
梟雄
(
きょうゆう
)
のみが作り出すものでもないようである。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梟雄
(
きょうゆう
)
ながらも一世の人傑、太郎丸翻然と悟ったらしい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いかなる現下の
梟雄
(
きょうゆう
)
でも、手におえない
豪傑
(
ごうけつ
)
たちでも、かれと談笑のうちに、ふと、眼をカチ合わせるときは、十人が十人とも、その視線を、横にそらすか、伏せるかして、よく秀吉の正視に
耐
(
た
)
えて
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いい
得
(
う
)
べくんば一代の
梟雄
(
きょうゆう
)
」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一世の
梟雄
(
きょうゆう
)
島津太郎丸
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
梟
漢検1級
部首:⽊
11画
雄
常用漢字
中学
部首:⾫
12画
“梟”で始まる語句
梟
梟首
梟鵄
梟身
梟木
梟帥
梟物
梟示
梟将
梟師