ほどこし)” の例文
と、かれおもきたり、さらまたの六號室がうしつ鐵格子てつがうしなかで、ニキタが患者等くわんじやら打毆なぐつてゐること、モイセイカがまちつては、ほどこしふてゐる姿すがたなどをおもす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わっしあね、親孝行な奴が感心だというんじゃあねえんで、へい、不孝な奴でもえらいといいます。へい、盗人どろぼうだって気に入るのがあるし、ほどこしをする奴に撲倒はりたおしてやりたいのがありますね。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私共わたくしどもも随分大火災おおやけでもございますと、五十両百両とほどこしを出した事もありますが、一軒前一分か二朱にしきゃア当りませんで、それは名聞みょうもん、貴方は見ず知らずの者へ、おいそれと百両の金子を下すって
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人にほどこして念とすなかれほどこしをうけて忘るなかれ
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度ちやうど其時そのときにははひつてたのは、いましもまちあさつて猶太人ジウのモイセイカ、ばうかぶらず、跣足はだしあさ上靴うはぐつ突掛つツかけたまゝ、にはほどこしちひさいふくろげて。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
すったもんだとねかえしたが、言種いいぐさが気に入ったい、総勢二十一人というのが昨日きのうのこッた、竹の皮包の腰兵糧でもって巣鴨すがもの養育院というのに出かけて、ほどこしのちょきちょきをってさ
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丁度ちょうどそのときにわはいってたのは、いましもまちあさって猶太人ジウのモイセイカ、ぼうかぶらず、跣足はだしあさ上靴うわぐつ突掛つッかけたまま、にはほどこしちいさいふくろげて。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは界隈かいわい貧民ひんみんで、つい茗荷谷みやうがだにうへる、補育院ほいくゐんとなへて月謝げつしやらず、ときとすると、讀本とくほんすみるゐほどこして、其上そのうへ通學つうがくするの、ぐらしの親達おやたち父親ちゝおやなり、母親はゝおやなり
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、かれおもきたり、さらにまたの六号室ごうしつ鉄格子てつごうしなかで、ニキタが患者等かんじゃら打殴なぐっていること、モイセイカがまちっては、ほどこしうている姿すがたなどをおもす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
お蔭で命を助かった位なほどこしを受けてるのがいくらもあら。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)