“ほどこし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
施与38.1%
33.3%
施行14.3%
慈善4.8%
施済4.8%
施物4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
施与ほどこしということは妙なもので、ほどこされた人も幸福しあわせではあろうが、施した当人の方は尚更心嬉しい。自分は饑えた人をつかまえて、説法を聞かせたとも気付かなかった。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わっしあね、親孝行な奴が感心だというんじゃあねえんで、へい、不孝な奴でもえらいといいます。へい、盗人どろぼうだって気に入るのがあるし、ほどこしをする奴に撲倒はりたおしてやりたいのがありますね。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「仕方がないって済まされんぞ。それにこの会は何も汝等きさまら施行ほどこしをするんじゃない、収入額あがりだかは育児院へ寄附に相成るのだ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なあ、おかみさん、その面の皮一枚いちめえひんめくる方が、慈善会よりよっぽど慈善ほどこしになるぜ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
施済ほどこしは隠れて為すべきである、右の手の為すことを左の手に知らしむべからずである、然れば隠れたるにたまう神は天使と天の万軍との前に顕明あらわに報い給うべしとのことである(同六章四節)
一週間して水嵩が落ちると、はしけが出せるようになる。するとセミョーンの他の渡船夫は、みな要らなくなる。韃靼人は村から村へと、施物ほどこしや仕事を捜して歩くことになる。妻はまだ十七だ。
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)