をそ)” の例文
とその腫れた面を平氣で振り立てて、誰からかをそはつて來たらしい文句を飽くまでも悟り濟ましたやうに得意然として言つてるぢやないか。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
だから學校がくかうなまけては不可いけない、したがつてをそはつたことわすれては不可いけない、但馬たじま圓山川まるやまがはそゝぐのも、越後ゑちご信濃川しなのがはそゝぐのも、ふねではおなじうみである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その晩八五郎は、お琴にをそはつた通り、柳屋の庭木戸を押して、石燈籠を踏み臺に、二階の欄干てすりをまたぎました。
圖書館としよかん博物館はくぶつかん學校がつこう同樣どうよう日本國中につぽんこくじゆういたところ出來できて、學校がつこうにおいて先生せんせいから學問がくもんをそはりながら、また學校がつこうてからみなさんが自分じぶん圖書館としよかん博物館はくぶつかんつて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
その姉さんのをそはつた先生などは、もつとひどいことをしてゐたさうで、「直立」なども、両手をまつ直ぐ右左へ「一」の字に上げさせて、その両方の手のひらへ
先生と生徒 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
それからたれをそはるともなく次第しだいならおぼえて、去年きよねんあたりちよつとその熱病期ねつびやうきだつたともへる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
目下めしたの者が、目上のお方さまに、お教へ申すと言ふやうな考へは、神様がお聞き届けになりません。教へる者は目上、をそはる者は目下と、此が神の代からの掟で御座りまする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宜道ぎだうからこの夢窓國師むさうこくし大燈國師だいとうこくしとは、禪門ぜんもん中興ちゆうこうであるとことをそはつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
マアつゞいた事は西洋のお話もいたしましたが、まだ落話おとしばなしはいたしませんとまうしたら、落話おとしばなしごく面白おもしろい事があるから一せきをしへてげようといふので、をそはりたてのお話しでございます
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
なほむかし風俗ふうぞく生活せいかつのありさまについては、くはしいことをこゝでおはなしする時間じかんもなく、みなさんが歴史れきしほんほか先生せんせいからをそはることゝおもひますから、今日けふはこれだけでよしてきます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)