掻𢌞かきまは)” の例文
ざつみづけて、ぐいとしぼつて、醤油しやうゆ掻𢌞かきまはせばぐにべられる。……わたしたち小學校せうがくかうかよ時分じぶんに、辨當べんたうさいが、よくこれだつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
己がまゝ掻𢌞かきまは我儘わがまゝ氣儘きまゝ振舞ふるまひたりしが何時しか町内廻りの髮結かみゆひ清三郎と密通みつつうをなし内外うちそとの目を忍びて物見遊山に浪費ついえ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お定は馬に乾秣やたつて鹽水に掻𢌞かきまはしてつて、一擔ぎ水を汲んで來てから夕餉の膳に坐つたが、無暗に氣がそはそはしてゐて、麥八分の飯を二膳とは喰べなかつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
があたつてあたたかさうな、あかる腰障子こししやうじうちに、前刻さつきからしづかにみづ掻𢌞かきまは氣勢けはひがしてたが、ばつたりといつて、下駄げたおと
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
猶以なほもつねんために、べつに、留桶とめをけ七八杯しちはちはいおよ湯船ゆぶねたかさまで、こほるやうな水道すゐだうみづ滿々まん/\たゝへたのを、ふなべり積重つみかさねた。これは奧方おくがた注意ちうい以外いぐわい智慧ちゑで、ざぶ/\と掻𢌞かきまはして
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もの干棹ほしざをながやつ持出もちだして、掻𢌞かきまはして、引拂ひつぱたかうとおもつても、二本にほんいでもとゞくもんぢやねえぢやあねえか。たかくつてよ。なあばあさん、椋鳥むくどり畜生ちくしやう、ひどいはしやがるぢやあねえか。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)