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弥勒
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みろく
ふりがな文庫
“
弥勒
(
みろく
)” の例文
旧字:
彌勒
それに引きかえて、
弥勒
(
みろく
)
の人々にはだいぶ懇意になった。このころでは、どこの
家
(
いえ
)
に行っても、先生先生と立てられぬところはない。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「一軒には親分を入れて、一軒にはあっしが入って、あとの一軒には叔母さんを入れる。家賃なんか
弥勒
(
みろく
)
の世までも呉れとは言わねえ」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
弥勒
(
みろく
)
の菩薩に参詣して、それからその横にある
水牛面忿怒妙王
(
すいぎゅうめんふんぬみょうおう
)
の大堂と
釈迦牟尼仏
(
しゃかむにぶつ
)
の大堂にも参詣してある僧舎について宿りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ハヌマンの本尊帝釈を釈尊の後釜に坐るべき未来の仏
弥勒
(
みろく
)
としながら羅摩、私陀等の名を一切抹殺して単に大国王、その妃などといい居る。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
◆備考 (A)如月寺の本尊
弥勒
(
みろく
)
菩薩の座像を調査するに、頭大にして身小さく、形相怪異にして、後光も無く
偏袒
(
へんたん
)
もせず。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
巣鴨辺
(
すがもへん
)
に
弥勒
(
みろく
)
の出世を待っている、
真宗大学
(
しんしゅうだいがく
)
の寄宿舎に似て、余り
世帯気
(
しょたいげ
)
がありそうもない
処
(
ところ
)
は、
大
(
おおい
)
に
胸襟
(
きょうきん
)
を開いてしかるべく、勝手に見て取った。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かつて類のない誓願を抱いて、辺地異域にはべり、日夜万民を憐れみ、
普賢
(
ふげん
)
菩薩の悲願に習い、生身のまま
入定
(
にゅうじょう
)
した事を実証せんがため
弥勒
(
みろく
)
の出現を待つものです
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
金堂の内部には本尊の薬師如来
坐像
(
ざぞう
)
を中心に、
弥勒
(
みろく
)
、
吉祥天
(
きっしょうてん
)
、
毘沙門
(
びしゃもん
)
、地蔵の仏体が並んでいるが、四
躯
(
く
)
とも平安時代の木造である。装飾らしいものは何もない。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
西方の
弥陀
(
みだ
)
の
浄土
(
じょうど
)
に押しせばめられて、
弥勒
(
みろく
)
の天国はだんだんと高く遠のき、そのまぼろしはいよいよ
幽
(
かす
)
かになって、そこに
往生
(
おうじょう
)
を期する者も今は至って
稀
(
まれ
)
であるが
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
膝を折って、床に坐り、あたかも現世の
文殊
(
もんじゅ
)
弥勒
(
みろく
)
でも見たように、何度も礼拝して止まなかった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本来を云えば
弥陀
(
みだ
)
なり
弥勒
(
みろく
)
なり
釈迦
(
しゃか
)
なりを頼んで、何かムニャムニャを唱えて、そして自分一人極楽世界へ転居して涼しい顔をしようと云うのは、随分虫のいいことで
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかるに彼らが、ほのかに
微笑
(
ほほえ
)
める
弥勒
(
みろく
)
あるいは観音の像に頼るべき力を感ずる際には、そこに人間的な愛の表情が永遠なるものの担い手として感ぜられているのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
何処
(
どこ
)
か寂しい町の古道具屋の店に、たつた一幅売り残された、
九霞山樵
(
きうかさんせう
)
の水墨山水——僕は時時退屈すると
弥勒
(
みろく
)
の出世でも待つもののやうに、こんな空想にさへ
耽
(
ふけ
)
る事がある。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
隙さえあれば、彼はこっそり瑠璃光丸の目を盗んで、大講堂の内陣に
彳
(
たゝず
)
みながら、観世音や
弥勒
(
みろく
)
菩薩の
艷冶
(
えんや
)
な尊容に、夢見るような瞳を凝らしつゝ、茫然と物思いに耽って居た。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夢殿の
救世観音
(
くせかんのん
)
にしても、中宮寺の
弥勒
(
みろく
)
にしても、よほど「こなし」が良く出来ている。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
あれは
弥勒
(
みろく
)
出世
(
しゆつせ
)
の暁に弘法大師が皆の手を執つてお迎へに出られる誓願があつたからださうだが、大師の考へでは
高々
(
たか/″\
)
三十人位の積りらしかつたが今のやうにたんと納まつては一寸始末に困るだらう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
聖書だく子人の
御親
(
みおや
)
の墓に伏して
弥勒
(
みろく
)
の名をば夕に喚びぬ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
夕凪の干潟まぶしみ
生貝
(
なまがひ
)
や
弥勒
(
みろく
)
むく子の
額髪
(
ぬかがみ
)
にして
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
仏教ではそれを
弥勒
(
みろく
)
菩薩の時代というのである。
最終戦争論
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
で、月の二十日には、どうせ狭い暑い
家
(
うち
)
に寝てるよりは学校の風通しのよい宿直室のほうがいいと思って、
弥勒
(
みろく
)
へと帰って来た。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
絵巻物が独り手に
弥勒
(
みろく
)
様のお像から脱け出して活躍したものか……というこの三つを前提にしてユックリと考えた方がいい。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
推古天平室の中央にすわっている広隆寺の
弥勒
(
みろく
)
*(
釈迦
(
しゃか
)
?)
塑像
(
そぞう
)
とを比べて見ればわかる。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
仏智不思議の誓願を、
聖徳皇
(
しやうとくわう
)
のめぐみにて、
正定聚
(
しやうじやうじゆ
)
に帰入して、
補処
(
ふしよ
)
の
弥勒
(
みろく
)
のごとくなり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
是と
弥勒
(
みろく
)
の
踊歌
(
おどりうた
)
との関係は尋ね
難
(
がた
)
いが、少なくともかつて何らかの形をもって、このいわゆる路頭託宣が行われなかったならば、とうてい持ち運び得られまいと思う地域にまで
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「行宮の下の岩壁には、年月もわからぬほど古い
弥勒
(
みろく
)
、
虚空蔵
(
こくうぞう
)
の二菩薩が彫ってある」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前項に書いたほかにまだまだ
弥勒
(
みろく
)
と僭称した乱賊の記事がある。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
弥勒
(
みろく
)
に俸給を取りに行った翌日あたりから、
脚部
(
きゃくぶ
)
大腿部
(
だいたいぶ
)
にかけておびただしく腫気が出た。足も今までの足とは思えぬほどに甲がふくれた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
弥勒
(
みろく
)
の出世以後の因縁までも同時に眼の前に結び止めて、
輪廻
(
りんね
)
転生のあらたかさをさながらに拝ませているのであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もう多くの時と紙とを
費
(
ついや
)
してしまって、最初の計画であった第四の点、かつて本誌に載せていただいた「
弥勒
(
みろく
)
の船」の結論の部分を、
爰
(
ここ
)
に続けて行くことができなくなったのは
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
天平
(
てんぴょう
)
の東大寺は
平重衡
(
たいらのしげひら
)
の兵火にかかって、けなげにも焼けて行った。大仏も観音も
弥勒
(
みろく
)
も劫火に身を投じた。これが仏の運命というものではなかろうか。何を惜しむ必要があろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「なに犬肉だと。いや、よろしい。犬だからとて
賤
(
いや
)
しむことはない。わが輩の腹中はすなわち
弥勒
(
みろく
)
だ、猿であろうが鹿であろうが一視平等。
豈
(
あに
)
、差別すべけんやだ、けっこう。いけるじゃないか、おやじ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿体
(
もったい
)
のうは御座いましたが、御本尊の
弥勒
(
みろく
)
様をゆすぶり立てて見ますると、成る程コトコトと音が致します。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
弥勒
(
みろく
)
に一度つれて行ってくれたまえ」
『田舎教師』について
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
補処
(
ふしょ
)
の
弥勒
(
みろく
)
の如くなり
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弥
常用漢字
中学
部首:⼸
8画
勒
漢検1級
部首:⼒
11画
“弥勒”で始まる語句
弥勒菩薩
弥勒寺長屋
弥勒寺橋
弥勒仏
弥勒寺
弥勒野
弥勒堂
弥勒院
弥勒町
弥勒謡