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ゆんぜい
ふりがな文庫
“
弓勢
(
ゆんぜい
)” の例文
(この人に、信長ほどな
器量
(
きりょう
)
があるかどうか。ここまでは意外な神速と才腕を見せて来たが、この辺が精いッぱいな
弓勢
(
ゆんぜい
)
ではないか)
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大王猿猴の勧めに依って弓を引いて敵に向いたもうに、
弓勢
(
ゆんぜい
)
人に
勝
(
すぐ
)
れて
臂
(
ひじ
)
背中
(
はいちゅう
)
に廻る。敵、大王の弓勢を見て
箭
(
や
)
を放たざる先に
遁
(
のが
)
れぬ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
七本目とつづいて三本は途方もないところへ
逸
(
そ
)
れ飛んで、八本目にようやく的中、九本目十本目は、
弓勢
(
ゆんぜい
)
弱ったか、へなへなと地を這いながら
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ド、ド、ド、ド——ッという足音がして、この
弓勢
(
ゆんぜい
)
に胆を冷やした、あばら組三十五人は、一度に後へ退いた。
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ある
時
(
とき
)
清原武則
(
きよはらたけのり
)
というこれも
弓
(
ゆみ
)
の
名人
(
めいじん
)
で
名高
(
なだか
)
かった人が、
義家
(
よしいえ
)
のほんとうの
弓勢
(
ゆんぜい
)
を
知
(
し
)
りたがって、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
鎧
(
よろい
)
を
三重
(
みかさ
)
ねまで木の上にかけて、
義家
(
よしいえ
)
に
射
(
い
)
させました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
「風があつて都合が悪いが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
どちらの矢が遠く行くか、お前と
弓勢
(
ゆんぜい
)
を比べて見よう。」
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その間に、見物はようやく不穏の色を以て、小森の
弓勢
(
ゆんぜい
)
を眺めるようになりました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いかに二郎、
保元
(
ほうげん
)
の
弓勢
(
ゆんぜい
)
、
平治
(
へいぢ
)
の
太刀風
(
たちかぜ
)
、今も草木を
靡
(
なび
)
かす力ありや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
弓勢
(
ゆんぜい
)
荒るるアカイアの軍勢、汝ぢ脅喝に
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
と見込みをつけ、一書をしたためて、
弓勢
(
ゆんぜい
)
の強い一武者に、矢文として、
搦手
(
からめて
)
の山から城中へ射込ませた。もちろん勧降状である。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西条流鏑矢の半弓!——
弓勢
(
ゆんぜい
)
またなかなかにあなどりがたく、寄らば射ろうとばかりにねらいをつけようとしたせつな。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
この
弓勢
(
ゆんぜい
)
に恐れてかワッと寄せ手は声を上げて半町ばかり退いた。その有様を主馬之介は
莞爾
(
にっこ
)
とばかり見送ったが、やがて半弓カラリと捨てて邸の中へ走り込んだ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
弭
(
つのゆみ
)
——または
李満弓
(
りまんきゅう
)
ともいう半弓型のものである。けれど
梓
(
あずさ
)
に薄板金を貼り、
漆巻
(
うるしまき
)
で
緊
(
し
)
めてあるので、
弓勢
(
ゆんぜい
)
の強いことは、強弓とよぶ物以上である。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叫んだのといっしょに、矢さばき
弓勢
(
ゆんぜい
)
もまたみごと、名人ののど首ねらって、きりきりと引きしぼりました。
右門捕物帖:36 子持ちすずり
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「あいや客人、日置正次殿、我等必死のお願いでござる、貴殿の
弓勢
(
ゆんぜい
)
お示し下され! 寄せて参ったは、不頼の
輩
(
ともがら
)
、あばら組と申す
奴原
(
やつばら
)
、討ち取って仔細無き奴原でござる!」
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此家
(
このや
)
を遠巻きにして、わあッわあアと騒いでいる。——そして大した
弓勢
(
ゆんぜい
)
ではないが、旺んに、矢を送って来た。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「未熟の
弓勢
(
ゆんぜい
)
お目にかけお恥ずかしゅう存じます」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……こたえがないのは、さては恐れて、深くかくれているのか。さらば、義貞の
弓勢
(
ゆんぜい
)
だけでも知ッておけ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「張苞の
弓勢
(
ゆんぜい
)
ごときは、何も奇とするには足りない。広言に似たれど、わが
箭
(
や
)
のゆく先を見よかし」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、わしは根ッからの鎌倉武士だ、まだ
弓勢
(
ゆんぜい
)
に年は
老
(
と
)
らせていないつもりだ。そのつもりで貴さまら兄弟も善戦してみせてくれ。わしも決して弓の手を
弛
(
ゆる
)
めはしまい。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加賀爪伝内
(
かがづめでんない
)
の遠矢が、
額
(
がく
)
ぶちにりっぱに立っているのに、
貴公
(
きこう
)
の矢が
鳥居
(
とおい
)
の
柱
(
はしら
)
にも立っていないのはどうしたしだいか、これ、
弓勢
(
ゆんぜい
)
たらずして、
矢走
(
やばし
)
りのとちゅうから
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加賀爪伝内の切ってはなった
黒鷹
(
くろたか
)
の
石打羽
(
いしうち
)
の
矢
(
や
)
は、まさしく、
白鳥
(
しらとり
)
の
峰
(
みね
)
の
大鳥居
(
おおとりい
)
の
額
(
がく
)
ぶちに
刺
(
さ
)
さっているのに、それにひきかえて
蔦之助
(
つたのすけ
)
の
射
(
い
)
た
妻羽白
(
つまはじろ
)
の
矢
(
や
)
は
弓勢
(
ゆんぜい
)
が
弱
(
よわ
)
かったため
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いったい、頼朝の手勢の中には、
其方
(
そち
)
ほどな
弓勢
(
ゆんぜい
)
の武者が、どれくらいいるのか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
弓勢
(
ゆんぜい
)
に恐れてか、日没と共に、平家の陣はひそとしてしまった。——今夜も淡い月が出ていた。すこし雨曇りの空ではあるが、雲は
断
(
き
)
れていて、時折、雁の影がよぎって行った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「されば、てまえの
弓勢
(
ゆんぜい
)
は、山崎の御合戦の折にも、
韮山城
(
にらやまじょう
)
の
城詰
(
しろづめ
)
の折にも、しばしば大殿の御感にあずかった、極めつきの弓でござる。的場のお子供衆の中ではお慰みになりませぬ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
腕よりは、
気稟
(
きひん
)
である。
弓勢
(
ゆんぜい
)
というよりは
気魄
(
きはく
)
である。信長が射る矢は
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この
弓勢
(
ゆんぜい
)
では知れたもの」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弓
常用漢字
小2
部首:⼸
3画
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“弓”で始まる語句
弓
弓弦
弓箭
弓矢
弓形
弓削
弓張
弓張提灯
弓杖
弓場