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おさななじみ
ふりがな文庫
“
幼馴染
(
おさななじみ
)” の例文
申しますの——『あの人はわたしの
幼馴染
(
おさななじみ
)
よ——おまけにいちばんまじめなお友だちなのよ。それなのにわたしは? ……』
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
だからもし妻と妻の
従弟
(
いとこ
)
との間に、僕と妻との間よりもっと純粋な愛情があったら、僕は
潔
(
いさぎよ
)
く
幼馴染
(
おさななじみ
)
の彼等のために
犠牲
(
ぎせい
)
になってやる考だった。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お谷さんは私の
幼馴染
(
おさななじみ
)
ですが、四方屋の先の
内儀
(
おかみ
)
さんが嫁に行くときお里からついて行った人で、四方屋にだけでも二十年も奉公している忠義者です。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
はじめから
彼家
(
あすこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと聞いたら
遣
(
や
)
るのじゃなかった——黙っておいでだから何にも知らずに悪い事をしたよ。さきじゃ
幼馴染
(
おさななじみ
)
だと思います、手毬唄を
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
千代子に対しては、僕と同じように、千代ちゃんという
幼馴染
(
おさななじみ
)
に用いる名を、自然に命ぜられたかのごとく使った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
長吉は
一度
(
ひとたび
)
別れたお糸とは
互
(
たがい
)
に異なるその境遇から日一日とその心までが
遠
(
とおざ
)
かって行って、折角の
幼馴染
(
おさななじみ
)
も遂にはあかの他人に等しいものになるであろう。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
熊浦氏は黒川博士とは同郷の
幼馴染
(
おさななじみ
)
だと聞いているが、現在では地位も、境遇も、性格もひどく違っている。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは帰朝してから、聞いたことですが、故郷
鎌倉
(
かまくら
)
での
幼馴染
(
おさななじみ
)
の少年少女も来ていてくれたそうです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
食堂車で二合
瓶
(
びん
)
を十六本平げた時で、新潟へ着いてからどういう順でこんな宿屋へ来てしまったのだろうといくら考えても分らなかった。翌日
幼馴染
(
おさななじみ
)
の婦人に会った。
流浪の追憶
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
大阪美術
倶楽部
(
くらぶ
)
で催された故
清元
(
きよもと
)
順三の
追悼会
(
ついたうゑ
)
に、家元
延寿太夫
(
えんじゆだいふ
)
が順三との
幼馴染
(
おさななじみ
)
を
懐
(
おも
)
ひ出して、病後の
窶
(
やつ
)
れにも
拘
(
かゝは
)
らず、
遙々
(
はる/″\
)
下阪
(
げはん
)
して来たのは美しい情誼であつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それから、あの奇怪な
風采
(
ふうさい
)
をした少年、少年といおうか、或いは若者といおうか、正直にして怒り易い、槍に妙を得た、あれの
幼馴染
(
おさななじみ
)
といった男は、どうしていますか。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは確かに、妾の記憶にある懐しい
幼馴染
(
おさななじみ
)
の顔だった。実になんという奇しき対面であろう。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さすがに
幼馴染
(
おさななじみ
)
の葉石の、今は昔互いに
睦
(
むつ
)
み親しみつつ
旦暮
(
あけくれ
)
訪
(
と
)
いつ訪われつ教えを受けし事さえ多かりしを
懐
(
おも
)
い、また今の葉石とて妾に対して
露
(
つゆ
)
悪意のあるに
非
(
あら
)
ざるを察しやりては
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
鶴見はそれをあたかも
幼馴染
(
おさななじみ
)
が齎らして来たもののように懐かしむのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
親戚
(
しんせき
)
の、
幼馴染
(
おさななじみ
)
の
一人
(
ひとり
)
の
若人
(
わこうど
)
……
世間
(
せけん
)
によくあることでございますが、
敦子
(
あつこ
)
さまは
早
(
はや
)
くから
右
(
みぎ
)
の
若人
(
わこうど
)
と
思
(
おも
)
い
思
(
おも
)
われる
仲
(
なか
)
になり、
末
(
すえ
)
は
夫婦
(
めおと
)
と、
内々
(
ないない
)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あいだ
)
に
堅
(
かた
)
い
約束
(
やくそく
)
ができていたのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
お敏には
幼馴染
(
おさななじみ
)
で母親には姪に当る、ある病身な身なし児の娘が、お島婆さんの養女になったので、自然お敏の家とあの婆の家との間にも、親類らしい往来が始まったのです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あの女と僕とは実は
幼馴染
(
おさななじみ
)
なんです。これ
丈
(
だけ
)
いえば君には十分想像がつきましょう。幼馴染を忘れ兼ねた僕は彼女が
外
(
ほか
)
の町で勤めに出てからもしばしばおう瀬を重ねていました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
伊勢の
古市
(
ふるいち
)
以来、
幼馴染
(
おさななじみ
)
のお君が、今、九死の境にいる。駒井能登守にだまされて、身を誤った女であるけれども、こういう場合にこういわれてみれば、さすがに米友もひとごとではない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
娘であったお糸、
幼馴染
(
おさななじみ
)
の恋人のお糸はこの世にはもう生きていないのだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ほぼその
幼馴染
(
おさななじみ
)
とでもいッつべき様子を知って、他人には、堅く口を封ずるだけ、お夏のために、天に代りて、大いに述懐せんとして、続けてなお
説
(
い
)
おうとするのを、お夏は
軽
(
かろ
)
く手真似で留めた。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紙入の中には小遣いの
紙幣
(
しへい
)
まで入れてくれましたから、ちょうど東両国に
幼馴染
(
おさななじみ
)
があるのを幸、その泰さんと云うのを引張り出して、久しぶりに近所の与兵衛鮨へ、一杯やりに行ったのです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
既に里馴れた遊女が偶然
幼馴染
(
おさななじみ
)
の男にめぐり会うところを写した時には、
商売人
(
くろと
)
でも
斯
(
こ
)
う云う時には娘のようにもじもじするもので、これはこの道の経験に富んだ人達の皆承知しているところで
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“幼馴染”の解説
幼馴染(おさななじみ)は、幼い頃に親しくしていた友達を言う。幼友達(おさなともだち)とも。
後述のような文化もあってか、現代の日本においては幼馴染という言葉に「異性の(特に初恋の)相手」というイメージを思い浮かべる人も多い傾向にあるが、本来は同性・異性を問わず、いわゆる「竹馬の友」を指す言葉である。
(出典:Wikipedia)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
馴
漢検準1級
部首:⾺
13画
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“幼”で始まる語句
幼
幼児
幼少
幼稚
幼子
幼心
幼兒
幼穉
幼稚園
幼顔