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さいくん
ふりがな文庫
“
妻君
(
さいくん
)” の例文
牡丹燈記の話は、
明州
(
めいしゅう
)
即ち今の
寧波
(
にんぽう
)
に
喬生
(
きょうせい
)
と云う
妻君
(
さいくん
)
を無くしたばかしの
壮
(
わか
)
い男があって、正月十五日の
観燈
(
かんとう
)
の晩に
門口
(
かどぐち
)
に立っていた。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
妻君
(
さいくん
)
を初め傭人の口うらがチャンと一致していたばかりでなく、子供までがそれを裏書きしてくれました。子供は嘘をいいません
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私は好物のことなれば直ちに
箸
(
はし
)
を取り、お礼をいって食べていると、誰やら、くすくす笑い出します。師匠の
妻君
(
さいくん
)
も笑い出す。
幕末維新懐古談:17 猫と鼠のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「そうかネ、それは大失敗だ。……しかし僕が自分より一枚上手の名探偵を
妻君
(
さいくん
)
にしたことは大成功だろう。はッはッはッ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この人には二どめの
妻君
(
さいくん
)
があって、この
妻君
(
さいくん
)
も死ぬことになるが、その死ぬ少し前に、ハークマは
慥
(
たし
)
か
倫敦
(
ロンドン
)
へ行っていて、そして
其処
(
そこ
)
から
帰
(
か
)
える。
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
▼ もっと見る
私は軍人の
妻君
(
さいくん
)
というものはみんなこんなものかと思って感服しました。感服もしたが、驚きもしました。この
気性
(
きしょう
)
でどこが
淋
(
さむ
)
しいのだろうと疑いもしました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金さえあればツイ一杯呑む気になるようなものだから、江戸を喰い詰めて来たのだが、あの
妻君
(
さいくん
)
はお達者かえ、イヤサおみねさんには久しく
拝顔
(
はいがん
)
を得ないがお達者かえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところが、その
妻君
(
さいくん
)
のハヤテというのが、アラシよりもさらにひどいやつときているのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
実は
僕
(
ぼく
)
今夜は五円札一枚しか
持
(
もつ
)
て居ないのだ。これは僕の
小使銭
(
こづかひせん
)
の余りだから
可
(
い
)
いやうなものゝ
若
(
も
)
しか二十円と
纏
(
まとま
)
ると、
鍵
(
かぎ
)
の番人をして居る
妻君
(
さいくん
)
の手からは
兎
(
と
)
ても取れつこない。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
皆座敷に立ったまま何か話している、私の家内の
他
(
ほか
)
にそこの主人とそこの
妻君
(
さいくん
)
の四人であった。部屋の左手は襖右手は障子だがあけはなしてあって
椽側
(
えんがわ
)
があり、その外は暗い庭である。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
私は
蛙
(
かえる
)
のように自由に臓腑を取り出す事が出来たら如何に便利な事かと思う、そして水道の水で
洗濯
(
せんたく
)
してちょっとした破れは
妻君
(
さいくん
)
に縫わせて、もとへ収め込むという風にしたいものだ。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
折
(
おり
)
から何だか、気味を
好
(
よ
)
く思っていないところへ、ある晩高麗蔵さんが、二階へ
行
(
ゆ
)
こうと、
梯子段
(
はしごだん
)
へかかる、
妻君
(
さいくん
)
はまた
威
(
おど
)
かす気でも何でもなく、上から下りて来る、その顔に薄く
燈
(
あかり
)
が
映
(
さ
)
して
薄どろどろ
(新字新仮名)
/
尾上梅幸
(著)
母がひとり子ども三人、
夫婦
(
ふうふ
)
をあわせて六人の
家族
(
かぞく
)
、
妻君
(
さいくん
)
というのは、同業者のむすめで花前の
恋女房
(
こいにょうぼう
)
であった。
地所
(
じしょ
)
などもすこしは
所有
(
しょゆう
)
しておって、六人の家族は
豊
(
ゆた
)
かにたのしく生活しておった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と云ってあるところを見ると、喬生は
妻君
(
さいくん
)
を失うた悲しみがあって、遠くの方へ遊びに往く気にもなれないで、門に
倚
(
よ
)
りかかってぼつねんとしていたものと見える。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長塚は
額
(
ひたい
)
に八の字を寄せて、行ったんですけれども、とても駄目です、
惨澹
(
さんたん
)
たるものです、
汚
(
きた
)
ない所でしてね、
妻君
(
さいくん
)
が
刺繍
(
ぬい
)
をしていましてね、本人が病気でしてね
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこには
妻君
(
さいくん
)
の喜代子と、二人の間にできたミツ子という赤ン坊との三人の
外
(
ほか
)
に三人の雇人がいた。今日は
本家
(
ほんけ
)
の大旦那長造の誕生日であるから、店を頼んで、浅草へ出て来たのだった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
袋から
吐出
(
はきだ
)
されたゴチャゴチャとしたコロッケ、カツレツ、ジャガイモの類を
妻君
(
さいくん
)
と二人でつくづくと眺める事だろう、どうせ二、三人の小供も
覗
(
のぞ
)
きに来る事かも知れない、老母というのも
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
徴兵のことも
方附
(
かたつ
)
き、配偶者の話がしきりに師匠や師匠の
妻君
(
さいくん
)
の口から出ますけれども、いずれも私は承知をしません。私は心の中で、とても、今の身で、うっかりした所から妻など貰えはしない。
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼一人なれば兎も角、足手
纏
(
まと
)
いの
妻君
(
さいくん
)
と二人づれで、彼はどこにどうして隠れていたのであるか。彼は果して、糸崎検事が想像した様に、密航を企て、遠く海外に逃げ去ってしまったものであろうか。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「もう遅いから早く帰りたまえ。私も早く帰ってやるんだから、
妻君
(
さいくん
)
のために」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は、そんなことを考えながら、
妻君
(
さいくん
)
の寝顔を、
飽
(
あ
)
かず
眺
(
なが
)
めていた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
軍人の
妻君
(
さいくん
)
だからああなのだろう、その妻君の娘だからこうだろうといった順序で、私の推測は段々延びて行きました。ところがその推測が、お嬢さんの顔を見た瞬間に、
悉
(
ことごと
)
く打ち消されました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おどろいてはいけない、君の
妻君
(
さいくん
)
だよ。君の夫人だよ」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
文章を髭から捻り出して御覧に入れますと云う
見幕
(
けんまく
)
で猛烈に捻ってはねじ上げ、ねじ下ろしているところへ、茶の間から
妻君
(
さいくん
)
が出て来てぴたりと主人の鼻の先へ
坐
(
す
)
わる。「あなたちょっと」と呼ぶ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「けさのことよ。リバプールの
桟橋
(
さんばし
)
から、海へ飛びこんだ男があったのよ。そのとき、たいへんな騒ぎが起ったんですけれど、この警官たち、あたしが、その自殺男の
妻君
(
さいくん
)
にちがいないとおきめになって、とうとうこんな目に……」
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そうだ、
妻君
(
さいくん
)
を貰おう!」
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“妻”で始まる語句
妻
妻子
妻籠
妻妾
妻室
妻戸
妻楊枝
妻覓
妻鳥
妻恋坂