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女衒
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ぜげん
ふりがな文庫
“
女衒
(
ぜげん
)” の例文
女衒
(
ぜげん
)
の悪いのに引っ掛って、手取りたった二十八両、その時はもう元金が百三十両で、一年の利子にもならない始末でございました
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おつねは長屋の人にたのんで、
山谷
(
さんや
)
あたりにいる
女衒
(
ぜげん
)
に話して貰って、よし原の女郎屋へ年季一杯五十両に売られることになりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
マッサージをやる美人後家の下宿をねらって這入ったら、奥の間に脊髄病の入れ墨男が居て、その後家を
女衒
(
ぜげん
)
の手先に使っていた……。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
過ち易きは、人のみち、
算盤
(
そろばん
)
の珠。迷ひ易きは、
女衒
(
ぜげん
)
の口、恋のみち、謎、手品、本郷の西片町、ほれぼれと惚れてだまされたるかなし。
第二真珠抄
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
雇い婆に、耳打ちして、てん屋へ、何か
誂
(
あつら
)
えにやる様子を、雲霧は、風呂の中で、感じていた。すると、格子先で、
女衒
(
ぜげん
)
の
粂
(
くめ
)
が
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
自分が
女衒
(
ぜげん
)
の手から手へ渡りながら、きびしく檻禁されていたときのことを思いだしたのである。その紙には字が書いてあった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女衒
(
ぜげん
)
、などなど、これらの
生業
(
なりわい
)
と共に社会の裏側に
蠢
(
うご
)
めき続け、その時も尚パリの裏街、——貧しい詩人や絵描きや音楽家や
放浪作家の冒険
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
そっちの四十ばばあの
女衒
(
ぜげん
)
とふたりが、きょうまでおめえさんをここへ閉じこめて、毎日毎日責め折檻していたんだろう。
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その翌朝、七ツ頃、顎十郎は岩槻染、
女衒
(
ぜげん
)
立縞の木綿の着物に茶無地の木綿羽織。長い顎を白羽二重の襟巻でしっかりとくるんでブラリと脇阪の部屋を出る。
顎十郎捕物帳:01 捨公方
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
即ち、本職の
女衒
(
ぜげん
)
や口入屋から女を買ふのは、高い金がいるばかりでなく、
上玉
(
じやうだま
)
が容易に得られない。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
お辰の話
聞
(
きい
)
ては急に
角
(
つの
)
を折ってやさしく夜長の御慰みに玉子湯でもして
上
(
あげ
)
ましょうかと
老人
(
としより
)
の
機嫌
(
きげん
)
を取る気になるぞ、それを
先度
(
せんど
)
も上田の
女衒
(
ぜげん
)
に渡そうとした
人非人
(
にんぴにん
)
め
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「捨ててしまうとは
勿体
(
もったい
)
ねえ話だ。
瞞
(
だま
)
して城下へ連れて来てよ、
女衒
(
ぜげん
)
へ掛けて売ったらどうだ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
裏に居た
女衒
(
ぜげん
)
の
小市
(
こいち
)
という男を存じて居りましたから、これへ参って
談
(
はなし
)
をいたして見ましょう
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
婦女
誘拐
(
ゆうかい
)
を職とする、法網くぐりの
女衒
(
ぜげん
)
たちのために、仲宿をすることもあるので、女わらべの泣きごえが、世の中に洩れるのをはばかり、
庫裡
(
くり
)
の下に
窖
(
あなぐら
)
を掘って、そこに畳をしき込み
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
父や母に捨てられて
女衒
(
ぜげん
)
につれられて出た東北の町、小さな山にとりかこまれ、その山々にまだ雪のあつた汚らしいハゲチョロのふるさとの景色が劫火の奥にいつも燃えつづけてゐるやうな気がした。
続戦争と一人の女
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
女衒
(
ぜげん
)
の惡いのに引つ掛つて、手取りたつた二十八兩、その時はもう元金が百三十兩で、一年の利子にもならない始末でございました
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誤ち易きは、人のみち、
算盤
(
そろばん
)
の珠。迷ひ易きは、
女衒
(
ぜげん
)
の口、恋のみち、
謎
(
なぞ
)
、手品、本郷の西片町、ほれぼれと惚れてだまされたるかなし。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
女衒
(
ぜげん
)
、桂庵はどちらかといえば表面的にやっている。その他、出入りの理髪師、その他の商人で極めて裏面的にやっているものは数限りない。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「——てめえは忘れたかもしれねえがこっちは覚えてるぞ、
女衒
(
ぜげん
)
の六、外へ出たくねえのなら、ここでてめえのしたことをばらしてやろうか」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もって、客席へ
侍
(
はべ
)
らすさえ、言語道断だ。それをなお、此方の妻にすすめるとは
女衒
(
ぜげん
)
にも劣る畜生根性。——貴様の背骨はよほど曲がっているな
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年あけたるのち、居所を定めず
女衒
(
ぜげん
)
なぞいたしおりしとか聞き及びそうろうも、つまびらかには存じ申さずそうろう。
右門捕物帖:33 死人ぶろ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そこには、おきみの新しい買ひ手である高崎の銘酒屋の主人と、一人の
女衒
(
ぜげん
)
とが坐つてゐたのである。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
京、大阪の
女衒
(
ぜげん
)
どもは、わずかばかりの金穀で貧乏公卿の息女を買い落し、みちのくの果てに送りだしたが、うそかまことか、その中に、烏丸中納言の息女と名乗るのがいたという話なのである。
奥の海
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
江戸の
女衒
(
ぜげん
)
が玉を見に来て、二月の晦日にいったん帰って、三月の二十七日にまた出直して来て、金を渡して本人を連れて行ったそうですが、その勤めさきを駒八の家では秘し隠しにしているので
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女衒
(
ぜげん
)
の真似をしている時、さんざん人も泣かせたはずですから、
怨
(
うら
)
みを買った覚えは
算
(
かぞ
)
え切れないほどあるでしょうが、しかし、八朔の白無垢を着て
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女に逃げられた
女衒
(
ぜげん
)
が、たえず女を殺していた日には商売にならない、という道理から宅助らしい我慢なのだ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
油っけのぬけたやつが、
女衒
(
ぜげん
)
みてえなまねしやがって、何するんでえ。来年あたりゃ西国順礼にでも出たくなる年ごろじゃねえかよ。はええところ恐れ入りな
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
職業婦人の第二職業の紹介者、
女衒
(
ぜげん
)
、周旋人、又はブローカーといったようなものは名前を換えて色々いる。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
女衒
(
ぜげん
)
の六がなかまの
復讐
(
ふくしゅう
)
を
怖
(
おそ
)
れたとき、広い世間にではなく、この島をかくれがに選んだように、かれらにとってもまた、ここが安全なかくれがなのであろう。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
年は二十一で、下谷の金杉の生まれだと
女衒
(
ぜげん
)
が話した。
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女持の
匕首
(
あひくち
)
か何んか持出して、清水屋の井戸端でお君を一と突きに殺し、取つて返して御假屋横町で、
女衒
(
ぜげん
)
見たいなお瀧を刺した、——鏡山の芝居だつて
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後ろ
袈裟
(
げさ
)
を狙った、
女衒
(
ぜげん
)
の久六の道中差。かわして、のめり流れた背中へ、ピュッと一太刀浴びせつけた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「沼津の
女衒
(
ぜげん
)
藤兵衛
(
とうべえ
)
とやらいう人が連れて、江戸の新吉原とかへ売られたと聞いただよ、おらもうそれを聞いたら姉さが可哀そうで、可哀そうで飯も
喉
(
のど
)
へ通んねえだ」
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
はめ込み
女衒
(
ぜげん
)
のだまし罪ゃ
入牢
(
じゅろう
)
と決まってるんだ。ついでにふたり、伝馬町へ涼ましに送りますぜ
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
女持の
匕首
(
あいくち
)
かなんか持出して、清水屋の井戸端でお君をひと突きに殺し、取って返して御仮屋横町で、
女衒
(
ぜげん
)
みたいなお滝を刺した、——
鏡山
(
かがみやま
)
の芝居だって
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
色より慾に引ッくり返った新造は、乾分の仁三を
女衒
(
ぜげん
)
の久六の所へ走らせ、手筈をきめて、京の色街へ、千浪を売り飛ばそうと
企
(
たくら
)
んだ。それが彼の
腹癒
(
はらい
)
せであった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「角さんがやる気になればだめらしいね」と母は云った、「芸妓屋へじかにしろ、
女衒
(
ぜげん
)
に頼むにしろ、親が金を取ってしまえば、お
上
(
かみ
)
の力でもどうしようもないそうだよ」
落葉の隣り
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人のうわさによれば右七百両、あまりよろしからざる金子とかにて、
女衒
(
ぜげん
)
のかたわら、おりおりいとけなき子ども等かどわかしそうろうてためあげたる不義の金子とか申す由にそうろう
右門捕物帖:33 死人ぶろ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そんなわけぢやありませんがね、主人の鈴川主水のいふことには——良い男ばかり集つてゐると
陰間宿
(
かげまやど
)
だの、
色子
(
いろこ
)
の
女衒
(
ぜげん
)
だのと、世間の噂がうるさくて叶はない。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
乗合い客の中には、
明日
(
あした
)
の米の買えない者もいた。暗い顔を持って京の
女衒
(
ぜげん
)
の家へ娘を売りにゆく者もいた。その日その日、
木賃宿
(
きちんやど
)
で疲れては眠る旅
商人
(
あきんど
)
も交っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女衒
(
ぜげん
)
の六はなぜそんなことをした、と栄二は思っていた。六は避難する船に乗ったが、船からおりるとき、繩細工をする老人が海へ落ち、それを救おうとしてとび込んだ。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女衒
(
ぜげん
)
!
右門捕物帖:33 死人ぶろ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
多分姉妹二人、よく/\の事情で
女衒
(
ぜげん
)
の手に渡り、年上の姉は佐野喜の店で勤め、年弱で身體も
萎
(
いぢ
)
けきつてゐる妹のお鶴は、寮の下女代りにこき使はれてゐたのでせう。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女衒
(
ぜげん
)
から女衒の手へ売られてゆくところでは、さも
肚
(
はら
)
が立つというように、
呻
(
うめ
)
き声をあげたり
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
病人のそばで、
密々
(
ひそひそ
)
、話し込んでいた
女衒
(
ぜげん
)
の
粂吉
(
くめきち
)
が、耳を抑えて、飛び上がった。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たぶん姉妹二人、よくよくの事情で
女衒
(
ぜげん
)
の手に渡り、年上の姉は佐野喜の店で勤め、年弱で身体も
萎
(
いじ
)
けきっている妹のお鶴は、寮の下女代りにこき使われていたのでしょう。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
きさまは
女衒
(
ぜげん
)
でも始めたのか、きさまは女で食うほどおちぶれたのか、と喚くのが聞えた。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかたがねえから、
女衒
(
ぜげん
)
に口をかけて、一番姉を
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
角兵衛獅子
(
かくべえじし
)
の親方を振り出しに、
女衒
(
ぜげん
)
の
真似
(
まね
)
をやったり、遊び人の仲間へ入ったり、今では今戸に一戸を構えて、諸方へ
烏金
(
からすがね
)
を廻し、至って裕福に暮している佐吉の女房です。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女衒
(
ぜげん
)
の手から手へ渡って、正月下旬に、江戸へ来た。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“女衒”の解説
女衒(ぜげん)は、女性を遊廓など、売春労働に斡旋することを業とした仲介業者である。歴史は古く、古代からこのような職業が存在していたと考えられている。
(出典:Wikipedia)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
衒
漢検1級
部首:⾏
11画
“女”で始まる語句
女
女子
女房
女性
女中
女王
女郎花
女将
女郎
女形