大昔おほむかし)” の例文
大昔おほむかしうたには、このうたかぎらず、歴史れきしではつたへてゐても、つくつたひとべつであり、時代じだいちがつてゐるとねばならないものが、だん/\あるのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
またあのヨーロッパの舊石器時代きゆうせつきじだい大昔おほむかしのように、洞穴ほらあないたすばらしい動物どうぶつなどはまったくなく、たゞ銅鐸どうたくうへあらはしてある簡單かんたん子供こどもいたような
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ともかく大昔おほむかし人間にんげんは、森林しんりんんで、くさや、や、野獸やじゆうや、かはさかななどをとつて、なまのまゝでべてゐたもので、ちょうど今日こんにち山猿やまざるのような生活せいかつをしてゐたのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
奥方の心では二人の子を持戒堅固ぢかいけんご清僧せいそうに仕上げたならば、大昔おほむかしの願泉寺時代のたヽりが除かれやう、ぬまぬししづまるであらうと思つたので、開基かいきと同じ宗旨しうし真言寺しんごんでらと聞いて
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
武藏と下總の國境くにざかひを、渡し舟が人を運んだ人煙稀薄じんゑんきはく大昔おほむかしはとにかくとして、あれだけの橋が幾筋も出來上るには、かけなければならない交通と、物資のふくらみとがあつたわけだ。
花火と大川端 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
けれども大昔おほむかしには、うたとづくべきものがおほかつたので、そのうち、一番いちばんあと出來できて、一番いちばん完全かんぜんになつたものが、うたといふもつぱらにしたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
第三十二圖だいさんじゆうにず23)大空おほぞらたか飛行機ひこうきんでゐるしたに、この大昔おほむかし不思議ふしぎ遺物いぶつるときは、ひとつは二十世紀にじつせいき現在げんざいひとつは紀元前きげんぜん二十世紀にじつせいきにもさかのぼるべき古代こだいのものを
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかしこの裾野すその大昔おほむかしからこんな草原くさはらだつたのではありません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
鳥船とりぶねといふのは大昔おほむかし國語こくごで、ふね名前なまへでもあり、同時どうじふねについていらつしやる神樣かみさまのお名前なまへでもありました。あなたがたならば、ふねはやいからとり見立みたてたのだとおもつていてさしつかへありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)