國元くにもと)” の例文
新字:国元
加ゆると雖も勿々なか/\用ひる面色けしきもなく言ば言程猶々なほ/\つのりて多分の金子をつかすてるにより忠兵衞も持餘せし故國元くにもとへ歸りて母親へ右の段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その時分じぶんには丁度ちやうどきう正月しやうぐわつるので、一先ひとまづ國元くにもとかへつて、ふるはるやまなかして、それからまたあたらしい反物たんもの脊負しよへるだけ脊負しよつてるのだとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
國元くにもとからはゝさんをんで此處こゝいゑで二つき介抱かいほうをさせたのだけれど、ひにはなになにやら無我無中むがむちうになつて、おもしてもなさけない、はゞ狂死きようしをしたのだね、わたしれをゆゑ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
助かりあまつさへ廿兩といふ金子を御惠下おめぐみくだされし御庇蔭おかげを以て今日まで存命仕つる事千萬有難く存じ奉つり候然るに彼のをり國元くにもと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まへとゝさんまごいもんさむとお國元くにもとあらはしたまふもみなこのをりかくげいなり、されば派手者はでしやおくさま此日このひれにして、新調しんちようの三まい今歳ことし流行りうかうらしめたまふ、ふゆなれど陽春ようしゆんぐわつのおもかげ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なししてまたこよひの事がらは如何なるわけ問懸とひかくるに吉之助は面目めんぼく無氣なげこたふる樣此程父吉右衞門國元くにもとより來り我等二千七八百兩のあなあけしを大いにいかり終に勘當かんだう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)