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取紛
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とりまぎ
ふりがな文庫
“
取紛
(
とりまぎ
)” の例文
「へエ/\、早速
此方
(
こちら
)
から、お屆けする筈でしたが、
取紛
(
とりまぎ
)
れてこの始末でございます。もう、あの、お聽きでございましたか、親分さん」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ぞ
呑居
(
のみゐ
)
けるに老女は膳を片寄ながら
礑
(
はた
)
と手を
拍
(
うち
)
私しは隣村迄今宵の中に是非行ねば成ぬ用有しを事に
取紛
(
とりまぎ
)
れて打忘れたり折角の御客に留守を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
文「私も
取紛
(
とりまぎ
)
れてお近付きになりませんが、私は浪島文治と云う浪人でございます、不思議な御縁で今晩お目に懸りました、どうか幾久しゅう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
始終望んでいましたこの山へ、
後
(
あと
)
を尋ねて
上
(
のぼ
)
る事が、物に
取紛
(
とりまぎ
)
れている
中
(
うち
)
に、
申訳
(
もうしわけ
)
もない飛んだ身勝手な。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛙も、
元氣能
(
よ
)
く聲を揃へて
啼
(
な
)
いてゐる、面白いに
取紛
(
とりまぎ
)
れて、自分は夢中で螢を追駈廻してゐた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
恥かしいとは思いましたが、ただ恥かしいでは隠しきれないバツがあって、そこは賢い女ですから、
取紛
(
とりまぎ
)
らすように心を立て直し、言葉を改めて駒井に向って言いました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先月は都合が悪くて送金しなかったから、
責
(
せめ
)
て此内十円だけは送ろうと、紙入の奥に別に紙に包んで入れて置いたのが、お糸さんの事や何や
角
(
か
)
やに
取紛
(
とりまぎ
)
れてまだ其儘になっている。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
大佐
(
たいさ
)
は、
今朝
(
けさ
)
も
定
(
さだま
)
れる
職務
(
しよくむ
)
に
參
(
まゐ
)
るが、
昨夜
(
さくや
)
は
取紛
(
とりまぎ
)
れて
語
(
かた
)
らず、
今朝
(
こんてう
)
は
猶
(
な
)
ほ
御睡眠中
(
ごすいみんちう
)
なれば、
此
(
この
)
水兵
(
すいへい
)
を
以
(
もつ
)
て
申上
(
もうしあ
)
げるが、
此
(
この
)
住家
(
すみか
)
の十
町
(
ちやう
)
以内
(
いない
)
なれば、
何處
(
いづく
)
へ
行
(
ゆ
)
かるゝも
御自由
(
ごじいう
)
なれど、
其
(
その
)
以外
(
いぐわい
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
相模屋の店中も、
漸
(
やうや
)
く平靜を取戻して、型通りの檢屍を濟ませた上、親類や近所の衆が集まつて、
葬
(
とむら
)
ひの仕度に、暫くは
取紛
(
とりまぎ
)
れて居ります。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
母
(
っかあ
)
まことに御無沙汰、一寸来なくちゃアならんのだけれども、駿府の方から親戚の者が出て来て居るもんだに
依
(
よ
)
ってな何や
彼
(
か
)
やと
取紛
(
とりまぎ
)
れて、何うか僕も親族の者が
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其時は
真
(
しん
)
に其積りで
強
(
あなが
)
ち気休めではなかったのだが、
彼此
(
かれこれ
)
取紛
(
とりまぎ
)
れて
不覚
(
つい
)
其儘になっている一方では、五円の金は半襟二掛より
効能
(
ききめ
)
があって、
夫
(
それ
)
以来お糸さんが非常に優待して呉れるが嬉しい。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夜
(
よ
)
が静かになると人の心も静かになります。静かになるに従って昼のうちは
取紛
(
とりまぎ
)
れていたことまでが、はっきりと思い返され、寝られぬ時は
感
(
かん
)
が
嵩
(
こう
)
じて、思わでものことまでが頭の中に浮んで来ます。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いや、
取紛
(
とりまぎ
)
れて
失念
(
しつねん
)
をしようとした。ほんの
寸志
(
すんし
)
だよ。」
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今更
(
いまさら
)
申には御座なく候へども
貧窮
(
ひんきう
)
の餘り無心申せしより
斯
(
かく
)
の仕合せと申に付大岡殿コリヤ三郎兵衞彼百兩は
彌々
(
いよ/\
)
返濟
(
へんさい
)
なせし
哉
(
や
)
暮
(
くれ
)
の事に
取紛
(
とりまぎ
)
れ萬一忘却致したるにはあらずや
篤
(
とく
)
と
考
(
かんが
)
へ見よ
僞
(
いつは
)
り
包
(
つゝ
)
むに於ては
屹度
(
きつと
)
糺問
(
きうもん
)
致すぞ
其方
(
そのはう
)
鰻登
(
うなぎのぼ
)
りに金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
相模屋の店中も、ようやく平静を取戻して、型通りの
検屍
(
けんし
)
を済ませた上、親類や近所の衆が集まって、
葬
(
とむら
)
いの仕度に、しばらくは
取紛
(
とりまぎ
)
れております。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
はい/\悲しいのに
取紛
(
とりまぎ
)
れ、御挨拶も申しません、これは家来とは申しながら、
私共
(
わたくしども
)
の妹を女房にして居りますから、家来と申しても弟と同じ事、
後
(
あと
)
には
七歳
(
なゝつ
)
になる子もありまして
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「騷ぎに
取紛
(
とりまぎ
)
れて落したものでございませう。不斷その六疊に置いてある品ですが——」
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
貴方様
(
あなたさま
)
にも
何時
(
いつ
)
もお変りなく、
一寸
(
ちょっと
)
伺いたく思いやすが、何分にも
些
(
ち
)
と訳あって
取紛
(
とりまぎ
)
れまして御無沙汰致しましたが、段々承れば
宿屋店
(
やどやみせ
)
をお出しなすったそうで、世界も変れば変るもので
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付