“冬季(とうき)” の例文
此(この)地(ち)の冬季(とうき)の寒威(かんゐ)は實(じつ)に烈(はげ)しく、河水(かすゐ)の如(ごと)きは其(その)表面(へうめん)氷結(へうけつ)して厚(あつ)さ尺餘(しやくよ)に到(いた)り、人馬(じんば)共(とも)に其(その)上(うへ)を自由(じいう)に歩(あゆ)み得(う)。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
それで一切(さい)の草木(さうもく)は土(つち)と直角(ちよくかく)の度(ど)を保(たも)つて居(ゐ)る、冬季(とうき)の間(あひだ)は土(つち)と平行(へいかう)することを好(この)んで居(ゐ)た人(ひと)も鐵(てつ)の針(はり)が磁石(じしやく)に吸(す)はれる如(ごと)く土(つち)に直立(ちよくりつ)して各自(てんで)に手(て)に農具(のうぐ)を執(と)る。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
頂上(ちようじよう)近(ちか)くに茶店(ちやみせ)、宿屋(やどや)數軒(すうけん)あり、冬季(とうき)でも登攀(とうはん)不可能(ふかのう)でない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
此(こ)の時(とき)凡(すべ)ての樹木(じゆもく)やそれから冬季(とうき)の間(あひだ)にはぐつたりと地(ち)に附(つ)いて居(ゐ)た凡(すべ)ての雜草(ざつさう)が爪立(つまだて)して只(たゞ)空(そら)へ/\と暖(あたゝ)かな光(ひかり)を求(もと)めて止(や)まぬ。土(つち)がそれを凝然(ぢつ)と曳(ひ)きとめて放(はな)さない。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其(そ)の所有(しよいう)であり得(う)るのは作物(さくもつ)が根(ね)を以(もつ)て田(た)や畑(はた)の土(つち)に立(た)つて居(ゐ)る間(あひだ)のみである。小作料(こさくれう)を拂(はら)つて畢(しま)へば既(すで)に手(て)をつけられた短(みじか)い冬季(とうき)を凌(しの)ぐ丈(だ)けのことがともすれば漸(やうや)くのことである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)