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二品
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ふたしな
ふりがな文庫
“
二品
(
ふたしな
)” の例文
盗まれた
二品
(
ふたしな
)
というのも、ひょっとしたら彼女の
偽瞞
(
ぎまん
)
であるかも知れない。小さな二品を人知れず処分するのはさして面倒なことではない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
首と衣を手に入れた山賊は、暫くその
二品
(
ふたしな
)
を
資手
(
もとで
)
に、木曾街道の旅人を
劫
(
おど
)
していたが、間もなく
諏訪
(
すわ
)
の近くへ
往
(
い
)
って首の由来を聞いた。山賊は青くなった。
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その
二品
(
ふたしな
)
だけでも三
人
(
にん
)
のお
嫁
(
よめ
)
さんの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
にくらべて、けっしてひけをとるようなことはありませんでした。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そして
二品
(
ふたしな
)
ばかりの料理を
誂
(
あつら
)
えて、申しわけに持って来させたビイルを、
舐
(
な
)
めるようにちびちび飲んでいた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「いやいや。
武田家
(
たけだけ
)
につたわる天下の名宝、
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
の
二品
(
ふたしな
)
をお手に
入
(
い
)
れたということではござりませぬか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
三度三度
献立
(
こんだて
)
を持って
誂
(
あつらえ
)
を聞きにくる婆さんに、
二品
(
ふたしな
)
三品
(
みしな
)
口に合いそうなものを注文はしても、
膳
(
ぜん
)
の上に
揃
(
そろ
)
った皿を眺めると共に、どこからともなく反感が起って
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
汲
(
くみ
)
て後に
御膳
(
ごぜん
)
を差上べしといひ
表
(
おもて
)
の方へ出行たり
跡
(
あと
)
に寶澤は手早く
此夏中
(
このなつちう
)
縁
(
えん
)
の下へ
埋置
(
うづめおき
)
し
二品
(
ふたしな
)
の
毒藥
(
どくやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
親切な夫人は朝だけ
其処
(
そこ
)
で取る自分達の食卓を離れずに給仕して下さる。
仏蘭西
(
フランス
)
と違つて英国では朝の食事に
麺麭
(
パン
)
と紅茶又は
珈琲
(
カツフエ
)
の外に
二品
(
ふたしな
)
許
(
ばか
)
りの
魚
(
うを
)
と肉との料理が附く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
千葉を遁げる時からたしなんだ、いざという時の
二品
(
ふたしな
)
を添えて、何ですか、三題話のようですが、
凄
(
すご
)
いでしょう。……事実なんです。貞操の
徴
(
しるし
)
と、女の生命とを預けるんだ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
次の日も例刻になれば狂女は又
訪
(
と
)
ひ来れり。
主
(
あるじ
)
は不在なりとて、
婢
(
をんな
)
をして彼の
遺
(
のこ
)
せし
二品
(
ふたしな
)
を返さしめけるに、前夜の
暴
(
あ
)
れに暴れし
気色
(
けしき
)
はなくて、殊勝に聞分けて帰り行きぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
図らずも蘆屋の釜
並
(
ならび
)
に山風の笛が手に
入
(
い
)
りましたから、早速右
二品
(
ふたしな
)
を渡邊外記という金森家の重役へ預け、
仇討
(
あだうち
)
の免状を殿様より頂戴致しまして、
公然
(
おもてむき
)
仇討に出立致しまして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仮令
(
たとえ
)
妾
(
わたし
)
には
数万金
(
すまんきん
)
を積むとてかえがたき
二品
(
ふたしな
)
なれど、今の
際
(
きわ
)
なれば是非も一なく、惜しけれど、
終
(
つい
)
に人手にわたす
妾
(
わが
)
胸中は
如何
(
いか
)
ばかり淋しき
思
(
おもい
)
のするかは
推
(
すい
)
したまわれ、されど
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
談義が長いので皆
辟易
(
へきえき
)
する。次は
青磁
(
せいじ
)
の
香炉
(
こうろ
)
だった。この
二品
(
ふたしな
)
で一時間余り喋り続けた。その間、私達二人は身動きも出来ない。これくらい
窮命
(
きゅうめい
)
すれば堪忍して貰う値打が充分あると思った。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
二品
(
ふたしな
)
の行方、大方相解りました」
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤太
(
とうだ
)
は
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
を
三井寺
(
みいでら
)
に
納
(
おさ
)
めて、あとの
二品
(
ふたしな
)
を
家
(
いえ
)
につたえていつまでも
豊
(
ゆた
)
かに
暮
(
く
)
らしました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
色ある
二品
(
ふたしな
)
のいわれに触れるのさえ
厭
(
いと
)
うらしいので、そのまま黙した事実があった。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分は今この
二品
(
ふたしな
)
の
琴樋
(
ことひ
)
の裏に貼紙をなして
妾
(
わたし
)
の日頃
愛玩
(
あいがん
)
せることを記しおきければ、やがて、その人に
由
(
よ
)
りて、これを知らるるでありましょう、これは今より
確言
(
かくげん
)
をしておきます……
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
“二品”の意味
《名詞》
二 品 (にほん)
律令制で親王の位階である品位の2番目。
(出典:Wiktionary)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
品
常用漢字
小3
部首:⼝
9画
“二品”で始まる語句
二品親王
二品卿
二品宮
二品尊雲
二品中務親王