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七分
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しちぶ
あるに
甲斐なく世を
経れば貧には運も
七分凍りて
三分の未練を命に
生るか、
噫と
計りに
夢現分たず珠運は
歎ずる時、雨戸に雪の音さら/\として、火は
消ざる
炬燵に足の先
冷かりき。
自分は今帽を着る
楽みが
七分で窮屈なコルセをして洋服を着て居ると云つて好い。
恐くは外に
三分を
患ひて、内に
却つて
七分を憂ふるにあらざらんや。
營むが
上に
彼れは
本家とて
世の
用ひも
重かるべく
我とて
信用薄きならねど
彼方に
七分の
益ある
時こゝには
僅かに
三分の
利のみ
我が
家繁榮長久の
策は
彼れ
松澤の
無きにしかず
且つは
娘の
容色世に
勝れたれば
是とても
又一つの
金庫芳之助とのえにし
絶えなば
通り
町の
角地面持參の
聟もなきにはあらじ
一擧兩得とはこれなんめりと
思ふ
心は