トップ
>
関羽
>
かんう
ふりがな文庫
“
関羽
(
かんう
)” の例文
旧字:
關羽
「おそらくそれは、玄徳の
義弟
(
おとうと
)
の
関羽
(
かんう
)
という者でしょう。関羽のほかには、そうやすやすと、顔良を斬るような勇士はありません」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月のうす明るい夜で、丞相が
紗
(
しゃ
)
の
帷
(
とばり
)
のうちから透かしてみると、賊は身のたけ七尺余りの大男で、
関羽
(
かんう
)
のような美しい長い
髯
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やしていた。
中国怪奇小説集:13 輟耕録(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
障子の
硝子
(
ガラス
)
の隅から細く
覗
(
のぞ
)
いたが、父の姿は見えず、向うの欄間にかけてある、誰が描いた古画か、
関羽
(
かんう
)
が碁盤を見つめている唐画が眼に来た。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この
関羽
(
かんう
)
の
廟
(
びょう
)
の中に面白い物がある。青鬼赤鬼ら地獄の鬼の姿を沢山
拵
(
こしら
)
えて関羽の
手下
(
てした
)
のように飾ってある。その美術がてかてか面白く出来て居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
関羽
(
かんう
)
の絵を見る様にいかめしい頬髯を生やし、濃い眉の下にギョロギョロした目を輝かせ、口は一文字に結んで、悪びれもせず、群る見物を睨み廻している。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
それで思ひ出したが昔
関羽
(
かんう
)
の絵を見たのに、関羽が片手に外科の手術を受けながら本を読んで居たので
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
僧院の廊下へはいって見ると、頭を大部分
剃
(
そ
)
って頂上に一握りだけ逆立った毛を残した、そして
関羽
(
かんう
)
のような顔をした男が腕組みをしてコックリコックリと廊下を歩いている。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
直垂
(
ひたたれ
)
の上に腹巻を着け
黄金作
(
こがねづく
)
りの小刀を
癇癪
(
かんしゃく
)
らしく
前方
(
まえ
)
へ
手挟
(
たばさ
)
み、鉄扇を机に突き立てた様子は、怒れば
関羽
(
かんう
)
笑えば
恵比寿
(
えびす
)
、正に英雄
偉傑
(
いけつ
)
の姿を充分に備えているではないか。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しばらくして宋公は、
唯
(
と
)
ある役所へいった。そこは壮麗な宮殿で、上に十人あまりの役人がいたが、何人ということは解らなかった。ただその中の
関帝
(
かんてい
)
の
関羽
(
かんう
)
だけは知ることができた。
考城隍
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
泰軒居士は、口をひらく前に、例によってその
関羽
(
かんう
)
ひげをしごく。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「この人は
関羽
(
かんう
)
です」と答えました。
幕末維新懐古談:06 高村東雲の生い立ち
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
順和商行と
関羽
(
かんう
)
の
廟
(
びょう
)
のあいだを曲って、いくつもの、ほそい露地をたどると、さっき、宵に、トム公の訪れた、阿片クラブの地下室へ出る。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鬼が出るという古廟に泊まると、その夜なかに
寝相
(
ねぞう
)
の悪い一人が
関羽
(
かんう
)
の木像を
蹴倒
(
けたお
)
して、みんなを驚かせましたが、ほかには怪しい事もありませんでした。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこにはシナの
関羽
(
かんう
)
も祀ってある。チベットでは関羽の事をゲーサルギ・ギャルポ(
花蕊
(
はなしべ
)
の王という意味)というて、悪魔を
祓
(
はら
)
う神として大いに
尊崇
(
そんすう
)
して居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
三国志
(
さんごくし
)
などを引っぱり出し、おなじみの
信乃
(
しの
)
や
道節
(
どうせつ
)
、
孔明
(
こうめい
)
や
関羽
(
かんう
)
に親しむ。
竜舌蘭
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
○正誤
関羽
(
かんう
)
外科の療治の際は読書にあらずして囲碁なりと。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
下邳の城は丞相もご承知の
関羽
(
かんう
)
雲長
(
うんちょう
)
が、守り固めております。——かねて玄徳はかかる場合を案じてか、二夫人と老幼のものを
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その包孝粛に扮した俳優は李香とかいうのだそうで、以前は
関羽
(
かんう
)
の芝居を売物にして各地を巡業していたのだが、近ごろは主として包孝粛の芝居を演じるようになった。
女侠伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その一人は、騎兵捕手の与力で、名を
朱同
(
しゅどう
)
といい、あだかも
関羽
(
かんう
)
のような
髯
(
ひげ
)
をもっているので“
美髯公
(
びぜんこう
)
”という
綽名
(
あだな
)
があった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
順治丙申
(
じゅんじへいしん
)
の年、五月二十二日、
広東韶州府
(
カントンしょうしゅうふ
)
の西城の上に、
関羽
(
かんう
)
がたちまち姿をあらわした。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
関羽
(
かんう
)
、
張飛
(
ちょうひ
)
の二人も、心のうちで喜ばないふうが、顔にも見えていたし、或る時は、玄徳へ向って、無遠慮にその不平を鳴らしたこともある。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがために、その周囲十五里のあいだには
関帝廟
(
かんていびょう
)
(関羽を祀る廟)を置くことを許さない。顔良は
関羽
(
かんう
)
に殺されたからである。もし関帝廟を置けば必ず禍いがあると伝えられている。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「冗談じゃない。百斤なんて錫杖は人間の持ち物にゃありませんぜ。三国時代の豪傑
関羽
(
かんう
)
さまの
偃月刀
(
えんげつとう
)
だって八十一斤でさ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
予州
(
よしゅう
)
の太守
劉玄徳
(
りゅうげんとく
)
が義弟の
関羽
(
かんう
)
字
(
あざな
)
は
雲長
(
うんちょう
)
なり、家兄玄徳の仰せをうけて、義のため、呂布を扶けに馳けつけて参った。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「総統総統。ただいま、軍師の呉用
大人
(
たいじん
)
と、先ごろ
梁山泊
(
りょうざんぱく
)
へ入った
関羽
(
かんう
)
の子孫の
関勝
(
かんしょう
)
とが、二人づれで、戦場のご報告にとこれへ見えましたが」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
知っておる! ——然し、昔、
華陀
(
かだ
)
と申す支那の医家は、
関羽
(
かんう
)
の恩を慕って共に戦場に立ち、関羽が毒矢に
中
(
あた
)
った時には、その
疵
(
きず
)
を療治いたしておる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御猟
(
みかり
)
の日、
傍若無人
(
ぼうじゃくぶじん
)
な
曹賊
(
そうぞく
)
が、帝のおん前に立ちふさがって、諸人の万歳をわがもの顔にうけた時、玄徳の舎弟
関羽
(
かんう
)
が、斬ッてかかりそうな血相をしておった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
関羽
(
かんう
)
は西門を守れ、
張飛
(
ちょうひ
)
は東門に備えろ、
孫乾
(
そんけん
)
は北門へ。また、南門の防ぎには、この玄徳が当る」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
劉玄徳
(
りゅうげんとく
)
とか、
曹操
(
そうそう
)
とか
関羽
(
かんう
)
、
張飛
(
ちょうひ
)
そのほか、主要人物などには、自分の解釈や創意をも加えて書いた。随所、原本にない辞句、会話なども、わたくしの
点描
(
てんびょう
)
である。
三国志:01 序
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父
関羽
(
かんう
)
の
遺物
(
かたみ
)
の青龍刀を横ざまに抱え、鞍には、彼もまた、一首級をくくりつけていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
檄
(
げき
)
によって劉玄徳は、
関羽
(
かんう
)
張飛
(
ちょうひ
)
などの精猛をひきつれて、予州の境で待ちあわせていた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は
河東解良
(
かとうかいりょう
)
(
山西省
(
さんせいしょう
)
・
解県
(
かいけん
)
)の産で、
関羽
(
かんう
)
字
(
あざな
)
は雲長と申し、長らく
江湖
(
こうこ
)
を
流寓
(
りゅうぐう
)
のすえ、四、五年前よりこの近村に住んで、村夫子となって草裡にむなしく月日を送っていた者です。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがしは漢の
寿亭侯
(
じゅていこう
)
関羽
(
かんう
)
である。北地へ参るもの、門をひらいて通されい」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「叔父(
関羽
(
かんう
)
)の危難を救わなかったのは、まったく私の意志ではなかったのです。その折、孟達が頑強に
拒
(
こば
)
んだため、つい彼のことばにひかれ、心にもなく自分も援軍に行かなかったので」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東南
(
たつみ
)
の陣、
関羽
(
かんう
)
。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関羽
(
かんう
)
一
杯
(
ぱい
)
の
酒
(
さけ
)
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
功
(
こう
)
なき
関羽
(
かんう
)
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関
常用漢字
小4
部首:⾨
14画
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
“関羽”で始まる語句
関羽髯
関羽鬚
関羽千里行