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邪
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よこし
ふりがな文庫
“
邪
(
よこし
)” の例文
邪
(
よこし
)
まなる人はもちろん話をも防ぎ、ただ
善
(
よ
)
き道に導き奉り、共に天神
地祇
(
ちぎ
)
の冥助を、永く蒙り給わんことを願い給うべし。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それにしても彼は、もう母が此方を訓めることに依つて自らの鬱憤のはけ口にしたのかもしれない——などゝ
邪
(
よこし
)
まな考へを抱いて苦く思つたりした。
熱海へ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
妖惡で
邪
(
よこし
)
まな美しさ、聽く者、見る者を、全身的な陶醉に誘ふ道具立の數々、つい平次もうつとりして了ひさうです。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どんな
邪
(
よこし
)
まな魔力を以つてしても、その聖者が自分の僧房をとざしたその同じ鍵でひらかぬかぎり、この中から
囚人
(
めしうど
)
を外へ出すことは出来ぬのぢや。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
何かの切っかけで、地道よりも
邪
(
よこし
)
まの方を手っ取り早いように思い込む。それが
数
(
かず
)
重
(
かさ
)
なると、世の中を太く短くという暗示になって、悪い方へ転向してしまう。
善根鈍根
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
むしろ、
畸形
(
きけい
)
なもの、
邪
(
よこし
)
まなものとして、あくまで白眼視するのみか、その成長ぶりを見るに及んでは
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と検事はとっさに反問したが、なぜか検事の説を否定するにもかかわらず、法水が、かたわらウルリーケを
邪
(
よこし
)
まな存在に指摘する——その理由がてんで判らなかった。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
平和
(
へいわ
)
を
亂
(
みだ
)
す
暴人
(
ばうじん
)
ども、
同胞
(
どうばう
)
の
血
(
ち
)
を
以
(
もっ
)
て
刃金
(
はがね
)
を
穢
(
けが
)
す
不埓奴
(
ふらちやつ
)
……
聽
(
き
)
きをらぬな?……やア/\、
汝等
(
おのれら
)
、
邪
(
よこし
)
まなる
嗔恚
(
しんに
)
の
炎
(
ほのほ
)
を
己
(
おの
)
が
血管
(
けっくわん
)
より
流
(
なが
)
れ
出
(
いづ
)
る
紫
(
むらさき
)
の
泉
(
いづみ
)
を
以
(
もっ
)
て
消
(
け
)
さうと
試
(
こゝろ
)
むる
獸類
(
けだもの
)
ども
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
見慣
(
みなら
)
ひて
平生
(
へいぜい
)
はすはに
育
(
そだち
)
しは其の父母の
教訓
(
をしへ
)
の
至
(
いた
)
らざる所なり
取譯
(
とりわけ
)
母
(
はゝ
)
は
心
(
こゝろ
)
邪
(
よこし
)
まにて
欲深
(
よくふか
)
く亭主庄三郎は
商賣
(
しやうばい
)
の道は知りても
世事
(
せじ
)
に
疎
(
うと
)
く
世帶
(
せたい
)
は妻に
任
(
まか
)
せ
置
(
おく
)
ゆゑ妻は
好事
(
よきこと
)
にして
夫
(
をつと
)
を
尻
(
しり
)
に
敷
(
し
)
き身上
向
(
むき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこには信仰もあり恋もあり、古い時代の人間生活が、音楽を通して活発に再現されるが古聖の言った如く、「詩三百一言以って
之
(
これ
)
を
蔽
(
おお
)
えば思い
邪
(
よこし
)
ま無し」
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
たとへ周子の前にしろ、うつかり斯んな口を利いて、己が心の
邪
(
よこし
)
まな片鱗を見透されはしなかつたらうか、などゝいふ気がして更に邪まな自己嫌悪に陥つた。
父を売る子
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
勘解由は聡明の士だったので、一見して三十郎が心
邪
(
よこし
)
まであり、公卿衆などの間へ推薦することなど、不可能の人間だということを知り、その依頼を断わった。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
つまり、問わず語らずのうちに、ウルリーケを陥れようとした、
邪
(
よこし
)
まな心を曝露してしまったのだ
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
浅黒いジプシイの顔には
邪
(
よこし
)
まで、毒々しくて野卑で、それと同時に横柄な面魂が浮かんでゐた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
細面
(
ほそおもて
)
のキリリとした女振りで、化粧の濃さも尋常ではなく、夕櫻を眺めながら、自分の部屋の窓で、眞太郎の來るのを待つた、
邪
(
よこし
)
まな誇りは、この凄まじい死顏に
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誓約
(
ちか
)
った仲! ……
邪
(
よこし
)
まの恋などではござりませぬ! ……それを横恋慕などと! ……
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ねえ支倉君、すべて不調和なものには、
邪
(
よこし
)
まな意志が潜んでいるとか云うぜ
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
惡く行けば、家事不取締のかどで、重いおとがめを受けまいものでもあるまいが、さうかと言つて、
邪
(
よこし
)
まの怨みを構へて、身分あるものを暗討ちにするのは許し難い。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
数人の侍臣に計らいましたところ、我が父押し切って異議申し立て、邪道の剣を得意とするは、心に
邪
(
よこし
)
まある証拠でござる、召し抱えご無用と申しましたれば、我が君にもその儀よかろうと
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何
(
な
)
んか
邪
(
よこし
)
まなことを念ずるような心持で、不思議に胸騒ぎに悩み続けたのです。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
邪
(
よこし
)
まの恋は浄化され、
処女
(
おとめ
)
のような純な恋に、今は帰っているのであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
として、
邪
(
よこし
)
まな官能の欲求に溺れて、罪悪の上に罪悪を重ねて行ったこの「法悦倶楽部」が、最後の日のポンペイのように、
脆
(
もろ
)
くも天火に焼き尽された、その日の凄まじい断末魔を
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
邪
常用漢字
中学
部首:⾢
8画
“邪”を含む語句
無邪気
邪魔
邪気
邪悪
風邪
邪推
邪道
邪視
邪神
邪慳
邪心
邪氣
邪鬼
邪正
天邪鬼
無邪氣
風邪気
邪念
邪見
邪智
...