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辻
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つぢ
はゞかりながら
御鼻の
下なが/\と
見えさせ
玉へば、そんじよ
其處らに
夫れ
大した
御男子樣とて、
分厘の
價値も
無しと、
辻に
立ちて
御慮外を
申もありけり。
(
山したの
方には
大分流行病がございますが、
此水は
何から、
辻の
方から
流れて
来るのではありませんか。)
指図役のお
方でございますか、
馬乗で
令を
下して
居られます。四ツ
辻の
処に
点つて
居りました
電気燈が、
段々明るくなつて
来ると、
従がつて
日は西に
傾きましたやうでございます。
(はい、
辻の
手前で
富山の
反魂丹売に
逢ひましたが、一
足前に
矢張此路へ
入りました。)
例は
威勢よき
黒ぬり
車の、それ
門に
音が
止まつた
娘ではないかと
兩親に
出迎はれつる
物を、
今宵は
辻より
飛のりの
車さへ
歸して
悄然と
格子戸の
外に
立てば、
家内には
父親が
相かはらずの
高聲
例は威勢よき黒ぬり車の、それ
門に音が止まつた娘ではないかと
両親に出迎はれつる物を、
今宵は
辻より
飛のりの車さへ帰して
悄然と
格子戸の外に立てば、
家内には父親が相かはらずの高声
辻に
立つて
見る
人に
爪はぢきをされて
後生いかゞと
思はるゝ
樣成し。