トップ
>
趣向
>
しゅこう
ふりがな文庫
“
趣向
(
しゅこう
)” の例文
ある
日
(
ひ
)
のこと、
町
(
まち
)
の
菓子屋
(
かしや
)
から
使
(
つか
)
いがきて、
店
(
みせ
)
の
看板
(
かんばん
)
を
塗
(
ぬ
)
り
換
(
か
)
えるから、ひとつ
趣向
(
しゅこう
)
を
凝
(
こ
)
らして、いいものを
描
(
か
)
いてくれと
頼
(
たの
)
まれたのです。
生きている看板
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これからさきを聞くと、せっかくの
趣向
(
しゅこう
)
が
壊
(
こわ
)
れる。ようやく仙人になりかけたところを、誰か来て
羽衣
(
はごろも
)
を帰せ帰せと
催促
(
さいそく
)
するような気がする。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、彼の滞在のために、にわかに囲った仮屋作りの八畳で、七月七日から十三日まで、七日のあいだ茶事を興行するゆえ、その
趣向
(
しゅこう
)
をせよ、と命じた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おせんの
裸
(
はだか
)
を
窺
(
のぞ
)
こうッてえのは、まず
立派
(
りっぱ
)
な
智恵
(
ちえ
)
だがの。おのれを
忘
(
わす
)
れて
乗出
(
のりだ
)
した
挙句
(
あげく
)
、
垣根
(
かきね
)
へ
首
(
くび
)
を
突
(
つ
)
っ
込
(
こ
)
んだんじゃ、
折角
(
せっかく
)
の
趣向
(
しゅこう
)
も
台
(
だい
)
なしだろうじゃねえか
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
酒を入れるより外に用事のない品だから、思い切って向島土手に埋めて供養塔を建てようという
趣向
(
しゅこう
)
で——
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
そんなところが、あのお
伽噺
(
とぎばなし
)
のつらい
夫婦
(
ふうふ
)
の
別離
(
わかれ
)
という
趣向
(
しゅこう
)
になったのでございましょう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
お國は人目を
憚
(
はゞか
)
り庭口の
開
(
ひら
)
き戸を明け置き、
此処
(
こゝ
)
より源次郎を忍ばせる
趣向
(
しゅこう
)
で、殿様のお
泊番
(
とまりばん
)
の時には此処から忍んで来るのだが、奥向きの
切盛
(
きりもり
)
は万事妾の國がする事ゆえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「きょうは、先生ご夫妻に、月見かたがた芝居をご覧に入れる
趣向
(
しゅこう
)
なんです。」
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
夫婦に三人の子供あれば一日に少なくも白米一升五合より二升は入用なるゆえ、現に一月二、三斗の不足なれども、内職の
所得
(
しょとく
)
を以て
麦
(
むぎ
)
を買い
粟
(
あわ
)
を買い、
或
(
あるい
)
は
粥
(
かゆ
)
或は
団子
(
だんご
)
、
様々
(
さまざま
)
の
趣向
(
しゅこう
)
にて
食
(
しょく
)
を
足
(
た
)
す。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
施
(
ほどこ
)
したりあるいは
蝶貝
(
ちょうがい
)
を
鏤
(
ちりば
)
め
蒔絵
(
まきえ
)
を
描
(
えが
)
いたりして
趣向
(
しゅこう
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「どういうご
趣向
(
しゅこう
)
でございました?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何とも不敵な
趣向
(
しゅこう
)
だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その
趣向
(
しゅこう
)
は寝ている余とは
固
(
もと
)
より無関係だから、知ろうはずもなかったが、とにかくこの議決が山荘での
催
(
もよお
)
しに一異彩を加えた事はたしかに違ないと思った。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また流行ともいえないほど、日常のものになりきっていたが、これに伴う
趣向
(
しゅこう
)
の
数寄
(
すき
)
とか道具の
贅
(
ぜい
)
とか、
淫
(
いん
)
すればおのずからどんな道にも
余弊
(
よへい
)
の生じるのは同じことで
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その一つは活力節約の移動といって energy を節約せんとする
吾人
(
ごじん
)
の努力、他の一つは活力を消耗せんとする
趣向
(
しゅこう
)
、即ち consumption of energy である。
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茶道衆のひとりとして、茶事があればかならず
趣向
(
しゅこう
)
を問われ、また平素にも信長の相手によく見える者ではあったが、この頃としては、その姿をここに見せたのは珍しいといえるのである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
首を入れた当人は台を引かれると同時に縄をゆるめて飛び下りるという
趣向
(
しゅこう
)
である。果してそれが事実なら別段恐るるにも及ばん、僕も一つ試みようと枝へ手を懸けて見ると好い具合に
撓
(
しわ
)
る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なんぞまた、
趣向
(
しゅこう
)
しているとみゆるな。信忠にも伝えたか。長門にも」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身どもは大阪表のある蔵屋敷
詰
(
づめ
)
の者であるが、同僚たちと語らって、何ぞ
趣向
(
しゅこう
)
の変った
連歌
(
れんが
)
の催しをやりたいというところから、この山の額堂ならば、
雅味
(
がみ
)
もあり、静かなことはこの上もないので
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「随分念の入った
趣向
(
しゅこう
)
だね。いったい誰の
考
(
かんがえ
)
だい」と兄が聞いた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、みな尊氏の
趣向
(
しゅこう
)
に
興
(
きょう
)
じて、しばし風流陣の苦吟に遊んだ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“趣向”の意味
《名詞》
趣向(しゅこう)
趣。趣意。
《動詞》
趣向(しゅこう)-する
(context、dated)何かを目指して向かって行くこと。
趣などを出すために工夫すること。また、その工夫。
(出典:Wiktionary)
趣
常用漢字
中学
部首:⾛
15画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“趣”で始まる語句
趣
趣味
趣意
趣旨
趣致
趣味性
趣味道楽