貴族きぞく)” の例文
そして、にぎやかなまちなかあるいて、それを貴族きぞくったり、金持かねもちに莫大ばくだいかねりつけたり、また商人しょうにんゆずったりしたのであります。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところで、貴族きぞくのお屋敷やしきにいるニワトリともなれば、こうまんちきで、ひとから、からかわれでもすると、たいへんです。
むかしは貴族きぞくの家の長子に生まれると福分ふくぶんを一人じめにすることができたが、今日の労働者ろうどうしゃの家庭では、総領そうりょうはいちばん重い責任せきにんをしょわされる。
山脈さんみゃくわか白熊しろくま貴族きぞく屍体したいのようにしずかに白くよこたわり、遠くの遠くを、ひるまの風のなごりがヒュウとって通りました。それでもじつにしずかです。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかしこゝでちょっとまをしてくことは、かういふおてら建築けんちく支那しな朝鮮ちようせんからつたはり、天皇てんのう御殿ごてん貴族きぞく家屋かおくもさういふふうにつくられるようになりましたが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さうしてみなさんもつてゐる鎌倉時代かまくらじだいちかくなると、京都きようと貴族きぞくたちのうたが、つてかはつてました。それは、新古今集しんこきんしゆうといふ歌集かしゆうればよくわかることです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
此時貴族きぞく落人おちうどなどの此秋山にかくれしならんか。里俗りぞくつたへに平氏といへるもよしあるにたり。
そうして、王子は、家来けらいたちに、その金の上ぐつを持たせて、王女たちから貴族きぞくのお姫さまたち、それから御殿じゅう、のこらずの足をためさせてみましたが、みんなだめでした。
それを元手に遊んで暮らすことを考えた。元貴族きぞくにも似合わない利口ものだった。日東映画会社の社長と知りあいなのを幸いに、映画界へ首を突っこんで来た。高級映画ゴロであった。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いばりやでぼうで、世界一大金持のようにおもい上がって、ほかの商人たちのなかまを見下みくだしながら、侯爵こうしゃくとか伯爵はくしゃくとか貴族きぞくのやしきによばれて、ぶとう会やお茶の会のなかまになることを
露國ロコク政治上せいぢぜうたち世界せかい雄視ゆうしすといへどもその版圖はんと彊大きようだいにして軍備ぐんび充實じゆうじつせるだけに、民人みんじん幸福こうふくゆたかならず、貴族きぞく小民せうみんとのあいだ鐵柵てつさくもうけらるゝありて、おのづからに平等びようどう苦叫くけうする平民へいみんこゑおこ
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
にわ貴族きぞく」は二通りも入っている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
おうさまや、ぼうさんや、貴族きぞくや、商人しょうにんなどがてるものは、ごくわずかの年月としつきしか、つづかないものだと思います。
サンドリヨンは、顔が美しいように、心のやさしいむすめでしたから、ふたりのきょうだいをも、お城へ引きとってやって、ご婚礼のその日に、やはり、ふたりの貴族きぞくにめあわせることにしました。