-
トップ
>
-
角度
>
-
かくど
螺でも
昔と
今は
角度が
幾分相違してゐるようですし、
赤貝でも
線の
數が
少し
變つてゐるといふようなことが、
貝塚の
貝殼を
調べて
見ればわかります。
宗助は
何の
工夫も
付かずに、
立ちながら、
向ふの
窓側に
据ゑてある
鏡の
裏を
斜に
眺めた。すると
角度の
具合で、
其所に
御米の
襟元から
片頬が
映つてゐた。
後で、
近所でも、
誰一人此の
素ばらしい
群の
風説をするもののなかつたのを
思ふと、
渠等は、あらゆる
人の
目から、
不可思議な
角度に
外れて、
巧に
逸し
去つたのであらうも
知れぬ。
角度を
急に
曲つて、
橋を
乗る
時を
思はれよ。