親友しんいう)” の例文
わたくしこの大佐たいさとはかつ面會めんくわいしたこといが、かね櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさとは無二むに親友しんいうで、また、わたくしためには終世しゆうせいわするゝこと出來できない
ひと交際かうさいすることかれいたつてこのんでゐたが、其神經質そのしんけいしつな、刺激しげきされやす性質せいしつなるがゆゑに、みづかつとめてたれとも交際かうさいせず、したがつまた親友しんいうをもたぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
家名相續かめいさうぞくなにともすべしとひと一人ひとり二人ふたりならず、あるとき學士がくし親友しんいうなりしそれがし當時たうじ醫學部いがくぶ有名いうめい教授けうじゆどのひとをもつてかたごとみしを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
モン長 それはロミオではござりませぬ、れはマーキューシオーどのゝ親友しんいうでござる。せがれ曲事きょくじ國法こくはふによってたるべきチッバルトのいのちったまでゝござります。
れこそ親友しんいう附添つきそつてるやうに、氣丈夫きぢやうぶ頼母たのもしかつたのであります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『おゝきみ、ねえ、きみぼくせつなる意中いちゆうしんじて、ぼく親友しんいうみとめてれることしようしてくださるでせうね……え、きみ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我子わがこならば親友しんいうもとる、さなくばくびくゝらうと、乞食こじきをせうと、ゑて途上死のたれじにをしをらうとまゝぢゃ、誓文せいもん我子わがことはおもはぬわい、また何一なにひとつたりと、おのれにはれまいぞよ。
ばんにはいつ郵便局長いうびんきよくちやうのミハイル、アウエリヤヌヰチがあそびにる。アンドレイ、エヒミチにつては人間ひとばかりが、町中まちゞゆう一人ひとりけぬ親友しんいうなので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)