職工しょっこう)” の例文
モーターの、うなるおとがきこえました。たくさんの職工しょっこうが、はたらいていました。てつてつおとが、周囲しゅういひびきかえっていました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、谷間には小さい庭のある職工しょっこうたちの家々が、あちこちに見えました。谷間のまんなかには学校がっこうがありました。
その出版社しゅっぱんしゃ慶応義塾けいおうぎじゅくのしきなかにたてて、主任しゅにんには、いつか大阪おおさか諭吉ゆきちをねらった朝吹英二あさぶきえいじをあて、職工しょっこうをたくさんやといれ、製本所せいほんじょもつくりました。
ところでこんどわしはらいを使う研究はぷっつりやめて、あの研究所からべんりな機械を製造しますわい。そこで職工しょっこうさんを二十名と雑役ざつえきさんを十名やといたいのじゃ。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
建物たてものを建築するに、出来方できかたは同じように出来ても、作っている間に、ある所では技師職工しょっこうにいたるまで面白くこころよく仕事すると、他の一方には軋轢あつれきしょう同僚どうりょうなぐれとか、ぼうがこんなことをいったとか
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
なにしろ寄進きしんかねで、できるのだそうだから、このまち工場こうじょうでも、職工しょっこうにいいつけて、ねんをいれてつくっているということだ。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど昼休ひるやすみがおわって、大ぜいの職工しょっこうたちが、工場の門をはいっていくところでした。職工たちは、ガンの鳴き声をききつけますと、ちょっと立ちどまって
「わしは職工しょっこうの仕事なんか、生まれてはじめてじゃが、それでも雇ってくれるかな」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そうです。わたしが、いまつくっています。もうじきにできあがりますが。」と、茶色ちゃいろのセーターを職工しょっこうが、電燈でんとうしたはたらかせながら、こたえました。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
職工しょっこうたちは、この答えをきいて、ガンの鳴き声が人間のことばのように聞こえるのは、じぶんたちが心にもっているあこがれのせいだろうと思いました、そして
戸山少年がそばを通りかかった職工しょっこうのひとりをよびとめて、たずねてみると
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「きょうの天気予報てんきよほうたった。あのいい天気てんきが、きゅうにこんなにわったからな。」と、年上としうえ職工しょっこうは、仕事台しごとだいうえ前屈まえかがみになって、朋輩ほうばいはなしをしました。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、工場こうじょうまどからはあおふく職工しょっこうさんやしろいエプロンの女工じょこうさんたちが、かおして、ハンカチをるもの、げるもの、とおくからこちらまでひびくように
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
じょうだんな、そんなひまがあるかい。小僧こぞうをしたり、職工しょっこうになったり、いろいろのことをしたのさ。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、十五、六のころ、とおまちのほうこうにやられて、そこで一人前にんまえ職工しょっこうとなったのですが、かたときもわすれなかった、なつかしいははは、そのあいだんでしまいました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつあきふゆ、ほとんどおじいさんのやすはありませんでした。ちょうど百しょうこめつくるとおなじように、また、職工しょっこう器具きぐつくるとおなじように、うおをとるのも、一通ひととおりでないほねおりでありました。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみは、芸術家げいじゅつかだが、おれは工場こうじょうはたらいていた職工しょっこうなんだ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)