トップ
>
羞
>
はづ
ふりがな文庫
“
羞
(
はづ
)” の例文
その時T—が、いつもの、私を信じ切つてゐるやうな少し
羞
(
はづ
)
かしいやうな様子をして部屋の入口に現はれた。そしてつかつかと
傍
(
そば
)
へ寄つて来た。
和解
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
友達に
冷笑
(
ひやかさ
)
れる
羞
(
はづ
)
かしさ、家へ歸つて何と言つたものだらうといふ樣な事を、子供心に考へると、小さい胸は一圖に迫つて、涙が留度もなく溢れる。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
其處
(
そこ
)
ら
此處
(
こゝ
)
らに
散在
(
さんざい
)
して
居
(
ゐ
)
る
開墾地
(
かいこんち
)
の
麥
(
むぎ
)
もすつと
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して、
蠶豆
(
そらまめ
)
の
花
(
はな
)
も
可憐
(
かれん
)
な
黒
(
くろ
)
い
瞳
(
ひとみ
)
を
聚
(
あつ
)
めて
羞
(
はづ
)
かし
相
(
さう
)
に
葉
(
は
)
の
間
(
あいだ
)
からこつそりと四
方
(
はう
)
を
覗
(
のぞ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
婦人
(
をんな
)
はよく/\あしらひかねたか、
盗
(
ぬす
)
むやうに
私
(
わし
)
を
見
(
み
)
て
颯
(
さつ
)
と
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめて
初心
(
しよしん
)
らしい、
然様
(
そん
)
な
質
(
たち
)
ではあるまいに、
羞
(
はづ
)
かしげに
膝
(
ひざ
)
なる
手拭
(
てぬぐひ
)
の
端
(
はし
)
を
口
(
くち
)
にあてた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女の返事は
羞
(
はづ
)
かしさうである。のみならず出したのも朝日ではない。二つとも箱の裏側に
旭日旗
(
きよくじつき
)
を描いた三笠である。保吉は思はず煙草から女の顔へ目を移した。
あばばばば
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
私はかう云ふ種類の女に対しても常にある
憧憬
(
どうけい
)
をもつてゐる。もし私の憧憬する幻をもととして、私にあつた今夜の女の心持を想像して見ると、女は
屹度
(
きつと
)
羞
(
はづ
)
かしいと思ふであらう。
二黒の巳
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「何だか
可笑
(
をか
)
しいのねエ」と、梅子は
羞
(
はづ
)
かしげにホヽ笑みつ「一昨々年の四月の初め、
丁度
(
ちやうど
)
桜の咲き
初
(
そ
)
めた頃なの、日曜日の夜の説教をなすつたのが——銀子さん、私、何だか——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「お冬のやうな若くて
羞
(
はづ
)
かしい盛りの娘の寢て居るところへ入つて、お冬に油斷をさせて、耳打ちでもするやうな恰好で、あんなひどい殺しやうをするのは、女でなきや出來ないことだ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「えゝ、」青年は少し
羞
(
はづ
)
かし相に云つた。「造花を売りに。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
器量だけは、これでも、
羞
(
はづ
)
かしくないつもりですから……。
頼母しき求縁(一幕)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「六でおます。」と
羞
(
はづ
)
かしさうに、袖で口を
掩
(
おほ
)
うた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
羞
(
はづ
)
る
二人
(
ふたり
)
は
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
極
(
きま
)
り
羞
(
はづ
)
かしさうに離れて行くのも好い気持ではなかつたが、それよりも
左褄
(
ひだりづま
)
を取つてゐた
曾
(
か
)
つての自分に魅力はあつても
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『やあ。』とお八重は思はず驚きの聲を出したので、すぐに
羞
(
はづ
)
かしくなつて、顏を火の樣にした。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『やあ。』とお八重は思はず驚きに声を出したので、すぐに
羞
(
はづ
)
かしくなつて、顔を火の様にした。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
寧
(
むし
)
ろその反対に、大人の前に坐つてゐても、
羞
(
はづ
)
かしがりも、怖れもしなかつた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
羞
常用漢字
中学
部首:⽺
11画
“羞”を含む語句
羞恥
含羞
羞耻
嬌羞
羞明
含羞草
可羞
羞含
羞恥心
面羞
心羞
気羞
珍羞
羞痒
多羞
羞耻心
花羞
羞渋
羞恥家
羞顔
...