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細々
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ほそぼそ
ふりがな文庫
“
細々
(
ほそぼそ
)” の例文
岡田
(
おかだ
)
は、そう
答
(
こた
)
えて、
自分
(
じぶん
)
もそこの
地上
(
ちじょう
)
に
咲
(
さ
)
いている
花
(
はな
)
に
目
(
め
)
をとめました。すると、どこかで、
細々
(
ほそぼそ
)
と
虫
(
むし
)
の
鳴
(
な
)
く
声
(
こえ
)
がしたのです。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
静子は、恥しさと悲しさの為に、あのまつげの長い目をふせて、そこに一杯涙さえためて、小さな声で
細々
(
ほそぼそ
)
と語るのであった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
細々
(
ほそぼそ
)
とした指と指を綾に組んで、前髪の蔭からじっと熱ッぽい流し
眄
(
め
)
を向けた。もっと人目のない所で、しみじみと話したいようなふうも溢れている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして、私は私自身の薄弱な力の許す限り周囲に
打克
(
うちか
)
って、
細々
(
ほそぼそ
)
ながら自己の経済的独立を建てて来ました。
平塚・山川・山田三女史に答う
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
牛一頭持てぬ
細々
(
ほそぼそ
)
した
納屋
(
なや
)
暮しで、主人が畑へ出かけた留守中、お
内儀
(
かみ
)
さんが紙風船など
貼
(
は
)
りながら、私ともう一人やはり同じ年に生れた自分の子に乳をやっていたのだが
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
これでは
落魄
(
らくはく
)
と云ってもよいような
細々
(
ほそぼそ
)
とした暮しをしていたとしか思われなかったが、それと云うのも、故人が芸術的良心に忠実で、昔からの舞の型を
崩
(
くず
)
すことを極端に
嫌
(
きら
)
い
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
細々
(
ほそぼそ
)
ながら
人
(
ひと
)
の
縫物
(
ぬいもの
)
などをさせてもらって、その
日
(
ひ
)
その
日
(
ひ
)
を
過
(
す
)
ごして
早
(
はや
)
くも十八
年
(
ねん
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
秋もやや末になって、里の人たちが朝起きて山の方を見ると、この岩屋から
細々
(
ほそぼそ
)
と煙が揚がっている。ああもうテンバがきているなどという中に、子を負うた女がささらや
竹籠
(
たけかご
)
を売りにくる。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
で、
細々
(
ほそぼそ
)
ながら、まずどうにかやって行く……その内、縁日の商いの道が分るにつけ、いろいろまた親子で工夫をして、一生懸命に働いては、大勢の一家を子供の腕一本でやって行きました。
幕末維新懐古談:01 私の父祖のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
その黒い糸のようなものが、見よ、今恩田のトラックの尾端から、闇夜の道路に
細々
(
ほそぼそ
)
と筋を引いているではないか。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
霜
(
しも
)
の
来
(
こ
)
ぬ
間
(
ま
)
に、
早
(
はや
)
くも
弱
(
よわ
)
り
果
(
は
)
てた
蟋蟀
(
こおろぎ
)
であろう。
床下
(
ゆかした
)
にあえぐ
音
(
ね
)
が
細々
(
ほそぼそ
)
と
聞
(
き
)
かれた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
先生
(
せんせい
)
は、じっと、
早
(
はや
)
く
両親
(
りょうしん
)
に
別
(
わか
)
れた
小原
(
おばら
)
の
細々
(
ほそぼそ
)
とした
体
(
からだ
)
を
見
(
み
)
ていられました。
世の中へ出る子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
細々
(
ほそぼそ
)
とした女の声は、それが余りに低いために、殆ど聞き取れぬほどでありましたが、聞えぬ所は想像で補って、やっと意味を取ることが出来たのでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
水
(
みず
)
くきのあとも
細々
(
ほそぼそ
)
と、
流
(
なが
)
したように
書
(
か
)
きつらねた
木目
(
もくめ
)
の
浮
(
う
)
いた
看板
(
かんばん
)
に、
片枝折
(
かたしおり
)
の
竹
(
たけ
)
も
朽
(
く
)
ちた
屋根
(
やね
)
から
柴垣
(
しばがき
)
へかけて、
葡萄
(
ぶどう
)
の
蔓
(
つる
)
が
伸
(
の
)
び
放題
(
ほうだい
)
の
姿
(
すがた
)
を、三
尺
(
じゃく
)
ばかりの
流
(
なが
)
れに
映
(
うつ
)
した
風雅
(
ふうが
)
なひと
構
(
かま
)
え
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
々
3画
“細”で始まる語句
細
細君
細工
細面
細作
細引
細流
細紐
細道
細長