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べにふで
ふりがな文庫
“
紅筆
(
べにふで
)” の例文
と
如何
(
いか
)
なる
企
(
くはだて
)
か、
内證
(
ないしよう
)
の
筈
(
はず
)
と
故
(
わざ
)
と
打明
(
うちあ
)
けて
饒舌
(
しやべ
)
つて、
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひうた
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする、
懷紙
(
ふところがみ
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
で
見
(
み
)
せびらかした。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、ふとその
脚
(
あし
)
を見た少女は、急いで籠の外のうぐいすを押えた。
紅筆
(
べにふで
)
のような鶯の脚に小さな紙片がしばってあるのだ。
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
中には
雁皮
(
がんぴ
)
に包んだ白粉と、耳掻き、爪切り、
紅筆
(
べにふで
)
など、艶めかしい小道具の入つてゐるのを、一と通り調べて、そのまゝ、お葉の手に返します。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さいぜんから見ていたが、一人の客へは、
普門品
(
ふもんぼん
)
の一句へ、
紅筆
(
べにふで
)
で
蓮華散
(
れんげち
)
らしを描いて与え、老婆の客へは、
空也和讃
(
くうやわさん
)
の一章を、
葦手
(
あしで
)
書きにしてやったではないか」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女に
凄
(
すご
)
さを求めるのは無理であろうが、
紅筆
(
べにふで
)
をかんで、薄墨のにじみ書きに、思いあまる思案のそこをうちあけた文を繰広げてゆくような、
纏綿
(
てんめん
)
たる情緒と、乱れそめた恋心と、人生の執着と
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
あたしの
遣
(
つか
)
いふるしでござんすが、この
紅筆
(
べにふで
)
は、お
前
(
まえ
)
が
王子
(
おうじ
)
を
越
(
こ
)
す
時
(
とき
)
に、あたしにおくんなすった。今では
形見
(
かたみ
)
。
役者衆
(
やくしゃしゅう
)
の、お
前
(
まえ
)
のお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るように
出来
(
でき
)
ますまいけれど、
辛抱
(
しんぼう
)
しておくんなさい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
御手づからの水にうがひしそれよ朝かりし
紅筆
(
べにふで
)
歌かきてやまむ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
紅筆
(
べにふで
)
にわづらひたまふ歌よりも雪の兎に目をたまへ君
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
いかゞ書くらん
紅筆
(
べにふで
)
の
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
その、山のように撒くお
捻
(
ひね
)
りのなかに、たった一つ、道場のお嬢様
萩乃
(
はぎの
)
の手で、吉事ならば
紅筆
(
べにふで
)
で、今日のような
凶事
(
きょうじ
)
には
墨
(
すみ
)
で、
御礼
(
おんれい
)
と書いた一包みの銭がある。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お
君
(
きみ
)
は、しかけた
用
(
よう
)
の
忙
(
いそが
)
しい
折
(
をり
)
から、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
暮
(
く
)
れかゝる、ついありあはせた
躾
(
しつけ
)
の
紅筆
(
べにふで
)
で
懷紙
(
ふところがみ
)
へ、と
丸髷
(
まるまげ
)
の
鬢
(
びん
)
艶
(
つや
)
やかに、もみぢを
流
(
なが
)
すうるはしかりし
水莖
(
みづぐき
)
のあと。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「見られる通り、一枚の小菊の中ほどに、
紅筆
(
べにふで
)
で書いた、得体の知れない仮名文字が二十五ある」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「見らるゝ通り、表の小菊の中ほどに、
紅筆
(
べにふで
)
で書いた、得體の知れない
假名文字
(
かなもじ
)
が二十五ある」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
組
(
くみ
)
は、しかけた
用
(
よう
)
の
忙
(
せは
)
しい
折
(
をり
)
から、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
暮
(
く
)
れかゝる、ついありあはせた
躾
(
たしなみ
)
の
紅筆
(
べにふで
)
で、
懷紙
(
くわいし
)
へ、
圓髷
(
まるまげ
)
の
鬢
(
びん
)
艷
(
つや
)
やかに、もみぢを
流
(
なが
)
す……うるはしかりし
水莖
(
みづぐき
)
のあと。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紅皿は半分以上
剥
(
は
)
げて、筆はかなり上等の細筆、
軸
(
ぢく
)
は半分程のところから切つて捨ててありますが、
穗
(
ほ
)
の根の方が薄黒くて、元は墨に使つた筆を、洗つて
紅筆
(
べにふで
)
にした樣子です。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
菊枝は
活々
(
いきいき
)
とした
女
(
むすめ
)
になったが、以前から身に添えていた、菊五郎格子の
帯揚
(
おびあげ
)
に入れた写真が一枚、それに朋輩の
女
(
むすめ
)
から、橘之助の病気見舞を
紅筆
(
べにふで
)
で書いて
寄越
(
よこ
)
したふみとは
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひか
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする
懷紙
(
くわいし
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて、
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
に
見
(
み
)
せびらかした。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
筆
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“紅”で始まる語句
紅
紅葉
紅蓮
紅絹
紅玉
紅色
紅白粉
紅梅
紅殻
紅味