“べにふで”の漢字の書き方と例文
語句割合
紅筆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さいぜんから見ていたが、一人の客へは、普門品ふもんぼんの一句へ、紅筆べにふで蓮華散れんげちらしを描いて与え、老婆の客へは、空也和讃くうやわさんの一章を、葦手あしで書きにしてやったではないか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女にすごさを求めるのは無理であろうが、紅筆べにふでをかんで、薄墨のにじみ書きに、思いあまる思案のそこをうちあけた文を繰広げてゆくような、纏綿てんめんたる情緒と、乱れそめた恋心と、人生の執着と
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あたしのつかいふるしでござんすが、この紅筆べにふでは、おまえ王子おうじときに、あたしにおくんなすった。今では形見かたみ役者衆やくしゃしゅうの、おまえのおるように出来できますまいけれど、辛抱しんぼうしておくんなさい。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)