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どうえう
無意無心なる
幼童は
天使なりとかや。げにもさきに
童謠ありてより(
應)の
來るに
一月を
措かざりし。
然るに
今は
此歌稀々になりて、
更にまた
奇異なる
謠は
童謠は(
應)が
始めて
來りし
稍以前より、
何處より
傳へたりとも
知らず
流行せるものにして、
爾來父母※兄が
誑しつ、
賺しつ
制すれども、
頑として
少しも
肯かざりき。
然るべき
民謠集の
中に、
金澤の
童謠を
記して(
鳶のおしろに
鷹匠が
居る、あつち
向いて
見さい、こつち
向いて
見さい)としたるは
可きが、おしろに
註して(お
城)としたには
吃驚なり。
一體童謠を
收録するのに、なまりを
正したり、
當推量の
註釋は
大の
禁物なり。
と
唱へ
出す
節は
泣くがごとく、
怨むがごとく、いつも(
應)の
來りて
市街を
横行するに
從うて、
件の
童謠東西に
湧き、
南北に
和し、
言語に
斷えたる
不快嫌惡の
情を
喚起して、
市人の
耳を
掩はざるなし。
猿が、
蓑着て
向ひの
山へ
花をりに
行く
童謠に