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灰燼
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くわいじん
ふりがな文庫
“
灰燼
(
くわいじん
)” の例文
その理想の美をも併せて
灰燼
(
くわいじん
)
とするに忍びず。われは他の衆我をして相見えしめむがために文學的博物場を開いたり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
東京は猛火に包まれ殆ど
灰燼
(
くわいじん
)
に帰してしまつた。
紐育
(
ニユーヨーク
)
電報が報じて云。大統領
Coolidge
(
クーリツジ
)
は日本の
Mikado
(
ミカド
)
へ見舞の電報を打つた。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それは、その翌日、殆ど全村を焼き尽したその
灰燼
(
くわいじん
)
の中に
半
(
なかば
)
焼けた
少女
(
をとめ
)
の死屍を発見した事で、少女は顔を手に当てたまゝ
打伏
(
うつぶし
)
に為つて焼け死んで居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
しかし大正の今日さへ、帝国大学図書館の蔵書を平然と
灰燼
(
くわいじん
)
に化せしめた、恬淡無欲なる我等の祖国は勿論蒹葭堂コレクシヨンをも無残なる
散佚
(
さんいつ
)
に任かせてしまつた。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
能役者
(
のうやくしや
)
は、
木曾
(
きそ
)
の
中津川
(
なかつがは
)
に
避暑中
(
ひしよちう
)
だつたが、
猿樂町
(
さるがくちやう
)
の
住居
(
すまひ
)
はもとより、
寶生
(
はうしやう
)
の
舞臺
(
ぶたい
)
をはじめ、
芝
(
しば
)
の
琴平町
(
ことひらちやう
)
に、
意氣
(
いき
)
な
稽古所
(
けいこじよ
)
の
二階屋
(
にかいや
)
があつたが、それもこれも
皆
(
みな
)
灰燼
(
くわいじん
)
して
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
……「この
家
(
うち
)
は燒ける。」と思ふと共に、
灰燼
(
くわいじん
)
になつた屋敷跡の
光景
(
ありさま
)
が彼れの心に浮んだ。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
燒趾
(
やけあと
)
に
横
(
よこた
)
はつた
梁
(
はり
)
や
柱
(
はしら
)
からまだ
微
(
かす
)
かな
煙
(
けぶり
)
を
立
(
た
)
てつゝ
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
は
明
(
あ
)
けた。
勘次
(
かんじ
)
はおつぎを
相手
(
あひて
)
に
灰燼
(
くわいじん
)
を
掻
(
か
)
き
集
(
あつ
)
めることに一
日
(
にち
)
を
費
(
つひや
)
した。
手桶
(
てをけ
)
の
冷
(
つめ
)
たい
握飯
(
にぎりめし
)
が
手頼
(
たより
)
ない三
人
(
にん
)
の
口
(
くち
)
を
糊
(
こ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
東京の天、
未
(
いま
)
だ煙に
蔽
(
おほ
)
はれ、
灰燼
(
くわいじん
)
の時に庭前に
墜
(
お
)
つるを見る。
円月堂
(
ゑんげつだう
)
に請ひ、
牛込
(
うしごめ
)
、
芝等
(
しばとう
)
の親戚を見舞はしむ。東京全滅の報あり。又横浜並びに
湘南
(
しやうなん
)
地方全滅の報あり。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
は
灰燼
(
くわいじん
)
の
中
(
なか
)
から
鍋
(
なべ
)
や
釜
(
かま
)
や
鐵瓶
(
てつびん
)
や
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
器物
(
きぶつ
)
をだん/\と
萬能
(
まんのう
)
の
先
(
さき
)
から
掻
(
か
)
き
出
(
だ
)
した。
鐵製
(
てつせい
)
の
器物
(
きぶつ
)
は
其
(
そ
)
の
形
(
かたち
)
を
保
(
たも
)
つて
居
(
ゐ
)
ても
悉皆
(
みんな
)
幾年
(
いくねん
)
も
使
(
つか
)
はずに
捨
(
すて
)
てあつたものゝやうに
變
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“灰燼”の意味
《名詞》
灰 燼 (かいじん)
灰と燃えさし。
(出典:Wiktionary)
灰
常用漢字
小6
部首:⽕
6画
燼
漢検1級
部首:⽕
18画
“灰”で始まる語句
灰色
灰
灰汁
灰吹
灰神楽
灰汁桶
灰白
灰白色
灰皿
灰塵