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満洲
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まんしゅう
ふりがな文庫
“
満洲
(
まんしゅう
)” の例文
旧字:
滿洲
と、ちょうどその時分、と云うのは十月の初め頃、或る日妙子が、奥畑が
満洲
(
まんしゅう
)
へ行くかも知れないと云う
噂
(
うわさ
)
を持って来たことがあった。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
チタでは
殊
(
こと
)
に支那人が多く、
満洲
(
まんしゅう
)
近い気もち
十分
(
じゅうぶん
)
であった。バイカル
湖
(
こ
)
から一路上って来た汽車は、チタから少し下りになった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
中国
(
ちゅうごく
)
か、
山陰
(
さんいん
)
か、
甲州路
(
こうしゅうじ
)
か。それとも北海道?
満洲
(
まんしゅう
)
? ナニそんなところのはずはないが、江戸でないことだけはたしかです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なぜなら、
兄
(
にい
)
さんだって、あのかや
山
(
やま
)
には、ちょっと
手
(
て
)
がつけられなかったのだからな。
姉
(
ねえ
)
さん、
僕
(
ぼく
)
は、
満洲
(
まんしゅう
)
へでも、どこへでもいけるよ。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
満洲
(
まんしゅう
)
事変以来
擡頭
(
たいとう
)
し来れるファッシズムに対して、若し〔軍部〕にその人あらば、
夙
(
つと
)
に英断を以て抑止すべきであった。
二・二六事件に就て
(新字新仮名)
/
河合栄治郎
(著)
▼ もっと見る
沢村さんは
満洲
(
まんしゅう
)
へ、松山さんはジャワへ、森さんは
北支
(
ほくし
)
、七番の坂本さんはアラスカへと皆どこかへ行ってしまった。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
次に彼が大連で好都合な職業にありついた祝いの言葉をちょっと入れて、その
後
(
あと
)
へだんだん東京も寒くなる時節柄、
満洲
(
まんしゅう
)
の
霜
(
しも
)
や風はさぞ
凌
(
しの
)
ぎ
悪
(
にく
)
いだろう。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は四谷で生れたのだけれど、十二の時、よその小父さんに連れられて、
満洲
(
まんしゅう
)
にさらわれて行ったのよ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
N君は戦闘機隊員、終戦で
満洲
(
まんしゅう
)
から飛行機で逃げてきた
由
(
よし
)
。猛暑たえがたし。畳の上へ、ねむる。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代えて――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
紙は
満洲
(
まんしゅう
)
へ行った時に、
奉天
(
ほうてん
)
の城内までわざわざ行って沢山買って来たし、墨も待望の品が手に入ったし、判も朱泥も揃ったので、もうあとは描きさえすればよいわけである。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
従軍新聞記者として
満洲
(
まんしゅう
)
の戦地に派遣されましたので、なんと云っても其の当時のことが最も多く記憶に残っていますが、お話の順序として、まず日清戦争当時のことから申上げましょう。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大喇叭
(
おおらっぱ
)
が
頓狂
(
とんきょう
)
な音を出した。「ここはお国を何百里、離れて遠き
満洲
(
まんしゅう
)
の」
白昼夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
時にははっとするほど自分を
腑効
(
ふがい
)
なく感じ、いっそ
満洲
(
まんしゅう
)
へでも飛び出してみようかと考えることもあったが、あの辺にも同窓の偉いのが重要ポストに納まっていたりして、何をするにも
方嚮
(
ほうこう
)
が
解
(
わか
)
らず
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「今話したじゃねえか。
日魯
(
にちろ
)
の大戦争よ。
満洲
(
まんしゅう
)
じゃねえか。」と言って、爺さんは
禿頭
(
はげあたま
)
から滑り落ちそうになる鉢巻の手拭を
締直
(
しめなお
)
したが、「ええと。何年前だったろう。おれももう
意久地
(
いくじ
)
がねえや。」
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
満洲
(
まんしゅう
)
の、ずっと北の方の話である。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「春だね、いくら
満洲
(
まんしゅう
)
でも。」
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「エ、かみさんも一緒に居ます。子供ですか、子供は居ません。たしか大きいのが
満洲
(
まんしゅう
)
に居るとか云うことでしたっけ」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
僕
(
ぼく
)
も、
支那
(
しな
)
か
満洲
(
まんしゅう
)
へいきたいんだが、お
母
(
かあ
)
さんが
年
(
とし
)
を
老
(
と
)
っているから、まだどうするか
考
(
かんが
)
えていないのさ。」
僕が大きくなるまで
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
代助を見て、突然、人間はどうしても君の様に独身でなけりゃ仕事は出来ない。僕も一人なら
満洲
(
まんしゅう
)
へでも
亜米利加
(
アメリカ
)
へでも行くんだがと大いに妻帯の不便を鳴らした。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
満洲
(
まんしゅう
)
の一角で事変の火の手があがったという。北支の一角で火の手が切られたという。
甚
(
はなはだ
)
しい
哉
(
かな
)
、総理大臣までその実相を告げ知らされていない。何たる軍部の専断横行であるか。
堕落論〔続堕落論〕
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
北海道とか
満洲
(
まんしゅう
)
とかの新開地へでも来たような気がする。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ここはお国を何百里、離れて遠き
満洲
(
まんしゅう
)
の……」
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
姉
(
ねえ
)
さん、なにか
満洲
(
まんしゅう
)
のことを
書
(
か
)
いた
本
(
ほん
)
があったら、どうか
送
(
おく
)
ってください。
僕
(
ぼく
)
、とても
見
(
み
)
たいのだから……。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうしてその
後
(
あと
)
へ自分が旅行した
満洲
(
まんしゅう
)
地方の景況をさも面白そうに一口ぐらいずつ
吹聴
(
ふいちょう
)
していた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
狭
(
せま
)
いけれど、
清潔
(
せいけつ
)
だよ。あのおじさんは、
怖
(
こわ
)
い
顔
(
かお
)
をしているけれど、やさしいよ。
若
(
わか
)
いときは、
軍人
(
ぐんじん
)
で、
満洲
(
まんしゅう
)
へいったんだって、いろいろ
戦争
(
せんそう
)
の
話
(
はなし
)
をしてきかせたよ。
子供の床屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「どうしてまた
満洲
(
まんしゅう
)
などへ行ったんでしょう」と聞いた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうさ。
僕
(
ぼく
)
も、
満洲
(
まんしゅう
)
へいこうかと
思
(
おも
)
ったんだ。しかしおふくろを
失
(
うしな
)
って、
間
(
ま
)
もないので、
父
(
ちち
)
がさびしがると
思
(
おも
)
ったので、
見合
(
みあ
)
わせたのさ。」と、
正吉
(
しょうきち
)
は、
西
(
にし
)
の
紅
(
あか
)
く
夕焼
(
ゆうや
)
けした
世の中へ出る子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“満洲”の解説
満洲(まんしゅう、Mǎnzhōu、en: Manchuria)は、黒竜江(アムール川)・松花江流域を中心とするユーラシア東北部、現在の中国東北地方からロシア沿海地方にかけての地域を指す呼称。「満州」と表記されることも多いが、語源上「満洲」が正式な漢字表記である(後述)。
(出典:Wikipedia)
満
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
洲
漢検準1級
部首:⽔
9画
“満洲”で始まる語句
満洲里
満洲国
満洲犬
満洲事変
満洲日々