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歓呼
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かんこ
ふりがな文庫
“
歓呼
(
かんこ
)” の例文
旧字:
歡呼
かれの軍が、大坂へもどると、
難波
(
なにわ
)
の津から一変した新しきこの大都市の住民は、道や城の附近へ押し寄せ、夜まで、
歓呼
(
かんこ
)
していた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つめたいしめった空気がしんとみんなのからだにせまったとき子供らは
歓呼
(
かんこ
)
の声をあげました。そんなに
樹
(
き
)
は高く
深
(
ふか
)
くしげっていたのです。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
船は八、九百トン、まさに一時間十一、二
浬
(
かいり
)
を走っている。少年らは手に手に銃をとって連発しては、また
歓呼
(
かんこ
)
の声をあげた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
これをきいて
僕
(
ぼく
)
たち
村
(
むら
)
の
子供
(
こども
)
は、わっと
歓呼
(
かんこ
)
の
声
(
こえ
)
をあげた。みなつきたいものばかりなので、
吉彦
(
よしひこ
)
さんはみんなを
鐘楼
(
しゅろう
)
の
下
(
した
)
に一
列
(
れつ
)
励行
(
れいこう
)
させた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
停車場の
柵内
(
さくない
)
には町長だの兵事係りだの学校生徒だの親類友だちだのが集まって、汽車の出るたびごとに万歳を
歓呼
(
かんこ
)
してその行をさかんにした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
そのぶら下がる当人は旗を持って思い切りよく塹壕の中へ飛び込んで、今に至るまで上がって来ない。
白髪
(
しらが
)
は増したかも知れぬが将軍は
歓呼
(
かんこ
)
の
裡
(
うち
)
に
帰来
(
きらい
)
した。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ちょうどそれと同じ心にしみ入る、深い苦痛が現われていました。そしてあたりには、数千年の昔と同じように、ふたたび
拍手
(
はくしゅ
)
と
歓呼
(
かんこ
)
の声がひびきわたりました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
税関の検査も、愛想の
好
(
よ
)
い税関吏達の笑いの中に済んで、上陸したぼく達の前には、ただ WELCOME の旗の波と、群集の
歓呼
(
かんこ
)
の声が
充
(
み
)
ち満ちていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
屋敷の門の前に
蝟集
(
いしゅう
)
していた農民共が、見迎え見送りながら、一斉に
歓呼
(
かんこ
)
の声を浴びせかけました。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
恐しいような
歓呼
(
かんこ
)
があがって、すぐやんだ。一男が
猶予
(
ゆうよ
)
なく次の仕事にとりかかったからである。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
浜べはもういつのまにか
大人
(
おとな
)
までがまじっての大かんげいになった。
船頭
(
せんどう
)
さんのなげたとも
綱
(
づな
)
は
歓呼
(
かんこ
)
の声でたぐりよせられ、力あまって船は砂浜まで引きあげられるさわぎだった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ケメトスは、空の星に向かって最後にも一度心で祈り、それから、右手の
炬火
(
たいまつ
)
を三度輪に振って、飛び下りる合図をしました。どっと
歓呼
(
かんこ
)
の声が響いて、あとはしいんと静まり返りました。
彗星の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
奉行
(
ぶぎょう
)
の声がかかったので、卜斎はからくも
引分
(
ひきわけ
)
のていで引きさがったが、
群集
(
ぐんしゅう
)
は
正直
(
しょうじき
)
である。
村上賛之丞
(
むらかみさんのじょう
)
のたまり
場
(
ば
)
へむかって
歓呼
(
かんこ
)
を
浴
(
あ
)
びせた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歓呼
(
かんこ
)
は、一瞬に
阿鼻叫喚
(
あびきょうかん
)
と変じていた。「——すわ」といったがもう追いつかない。援軍とみせてなだれこんで来たのは、梁山泊の山兵だったのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
去就
(
きょしゅう
)
にまよい、四囲の重圧にあえいでいた盟国の土民は、
篝
(
かがり
)
を
焚
(
た
)
き、
歓呼
(
かんこ
)
して、秀吉の兵馬をむかえた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そいつア惜しい。二龍山など行かずに、都頭武松も、こっちへ来てくれたら、どんなに
歓呼
(
かんこ
)
して迎えたかもしれねえのに、千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の機を逃がしたようなもんだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孤立無援
(
こりつむえん
)
の中に、苦闘していた城兵は、思わぬ
劉玄徳
(
りゅうげんとく
)
の来援に、幾たびも
歓呼
(
かんこ
)
をあげてふるった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これがわかると
陸
(
くが
)
では兵庫から生田、御影へかけて狂喜の
歓呼
(
かんこ
)
がうねりのようにつたえられ
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
間髪
(
かんはつ
)
には、ふたりの
頭脳
(
あたま
)
に、助かッたぞッ——という
歓呼
(
かんこ
)
があがったであろうが、結果は同じことだった。ただ
業火
(
ごうか
)
の
地獄
(
じごく
)
から八
寒
(
かん
)
地獄
(
じごく
)
へ
位置
(
いち
)
を
代
(
か
)
えたにすぎなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
如才
(
じょさい
)
ない政治家だの民衆の
鼻息
(
びそく
)
ばかり
窺
(
うかが
)
っている大臣などは、いつの世でも民衆は見ていたくない。民衆の本能は、高い
廟堂
(
びょうどう
)
にたいして、やはり
土下坐
(
どげざ
)
し、礼拝し、
歓呼
(
かんこ
)
して仰ぎたいものである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
手柄
(
てがら
)
名のりにおうずる味方の
歓呼
(
かんこ
)
、谷間へ遠く
山彦
(
やまびこ
)
する。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、まるで祭りのような騒ぎでわんわんと
歓呼
(
かんこ
)
している。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わあっと、両手を挙げて、彼らは
歓呼
(
かんこ
)
した。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“歓呼”の意味
《名詞》
歓 呼(かんこ)
喜んで声を上げること。
(出典:Wiktionary)
歓
常用漢字
中学
部首:⽋
15画
呼
常用漢字
小6
部首:⼝
8画
“歓”で始まる語句
歓
歓喜
歓楽
歓迎
歓待
歓声
歓語
歓迎会
歓心
歓喜天