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はしげた
ふりがな文庫
“
橋桁
(
はしげた
)” の例文
武蔵は? ——と、見れば、矢矧の
橋桁
(
はしげた
)
の陰へと、
逸
(
いち
)
はやく跳んで、
蝙蝠
(
こうもり
)
がとまったように、ぺたと身を
屈
(
かが
)
めていたのである。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新し橋の袂に居る、ゐざりの申松が水死人になつて、兩國の
橋桁
(
はしげた
)
に引つ掛つて居たと、土地の下つ引が知らせて來たのは、七月になつて間もなく
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
菊桐の紋のついたのがこう言って、忙がわしく
橋桁
(
はしげた
)
の方へ近寄って、送り狼の身にからみつくようにした時、またもや橋上がにわかに物騒がしくなりました。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そら! また見えた、
橋桁
(
はしげた
)
に引っかかったよ。」と、欄杆に手を
掛
(
か
)
けて、自由に川中を
俯瞰
(
みおろ
)
し得る
御用聴
(
ごようきき
)
らしい
小僧
(
こぞう
)
が、自分の形勝の位置を
誇
(
ほこ
)
るかのように
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それからお茶の水橋を渡ろうとしたが、
橋桁
(
はしげた
)
からまだ煙が出ていて危険なうえに、兵士が橋の
袂
(
たもと
)
に針金を張って通行を遮断しているので昌平橋の方へと往った。
死体の匂い
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
車輪が
分岐点
(
ぶんきてん
)
と噛み合っているらしくガタンガタンと
騒々
(
そうぞう
)
しい音をたてたのと、車輌近くに陸橋のマッシヴな
橋桁
(
はしげた
)
がグオーッと
擦
(
す
)
れちがったのとが同時だった。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
橋のつけねには石が組んであるが、その石垣と
橋桁
(
はしげた
)
のあいだに三尺ほどの隙間があり、二三の包の置いてあるのが見えた。おそらく、そこが老人たちの寝場所になるのであろう。
橋の下
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
初めは
湖畔
(
こはん
)
に出て
侵略者
(
しんりゃくしゃ
)
を
迎
(
むか
)
え
撃
(
う
)
った彼等も名だたる北方草原の
騎馬兵
(
きばへい
)
に当りかねて、湖上の
栖処
(
すみか
)
に退いた。湖岸との間の
橋桁
(
はしげた
)
を
撤
(
てっ
)
して、家々の窓を
銃眼
(
じゅうがん
)
に、投石器や弓矢で応戦した。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
またいくつか里をこえてゆくと、橋普請の材木のみ
徒
(
いたず
)
らに道を
塞
(
ふさ
)
いで、
橋桁
(
はしげた
)
すらない所がある。小さい川ながら
頗
(
すこ
)
ぶる足場がわるい。道からわりに深い川床へとおりて、すぐまた上る。
雪の武石峠
(新字新仮名)
/
別所梅之助
(著)
きのうの豪雨で山の水源地は
氾濫
(
はんらん
)
し、濁流
滔々
(
とうとう
)
と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、
木葉微塵
(
こっぱみじん
)
に
橋桁
(
はしげた
)
を跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。
走れメロス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
源助は死後長く
橋桁
(
はしげた
)
を守っていまだに源助柱という名が残っておると申す。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
下総武蔵
(
しもふさむさし
)
の
国境
(
くにざかい
)
だという、
両国橋
(
りょうごくばし
)
のまん
中
(
なか
)
で、ぼんやり
橋桁
(
はしげた
)
にもたれたまま、
薄汚
(
うすぎたな
)
い
婆
(
ばあ
)
さんが一
匹
(
ぴき
)
五
文
(
もん
)
で
売
(
う
)
っている、
放
(
はな
)
し
亀
(
かめ
)
の
首
(
くび
)
の
動
(
うご
)
きを
見詰
(
みつ
)
めていた千
吉
(
きち
)
は、
通
(
とお
)
りがかりの
細川
(
ほそかわ
)
の
厩中間
(
うまやちゅうげん
)
竹
(
たけ
)
五
郎
(
ろう
)
に
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
出
(
いで
)
の橋」の朽ちかかつた
橋桁
(
はしげた
)
のうへから
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一人は逃げ出したが、よほど
慌
(
あわ
)
てたとみえて、
橋桁
(
はしげた
)
の
袂
(
たもと
)
へ、盲とんぼのようにぶつかり、そのまま
矢矧
(
やはぎ
)
の大橋を、のめるように駈けて行った。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
船に縛り付け、
橋桁
(
はしげた
)
を伝わって欄干まで登って、そこで念入りに縛り付けて、綱の端を切り落としたのち、死骸の首へ巻き付けた。綱の端をよく見て来るがいい
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
柑橘類
(
かんきつるい
)
の実の袋数。マッチの本数。花の花弁。電車のレール。
橋桁
(
はしげた
)
。茶碗一杯のめし粒。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それから二人は、焼け落ちた吾妻橋の上を手を
繋
(
つな
)
いで、川向うへ渡った。
橋桁
(
はしげた
)
の上にも、死骸がいくつも転がっていた。下を見ると、赤土ににごった大川の水面に、土左衛門がプカプカ浮んでいた。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
身を
橋桁
(
はしげた
)
へ貼りつけた途端に、彼は考えていたことだった。——で、いつまでも、息をこらしてじっとしていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は
毅然
(
きぜん
)
と立ったままで、敵の
弾
(
たま
)
けむりを睨んでいた明智方の足軽
頭
(
がしら
)
は、こめかみの辺を撃ちぬかれて、
橋桁
(
はしげた
)
からもんどり打って河中に
墜
(
お
)
ち、ドボンと、大砲の弾が落ちたようなしぶきを揚げた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屍
(
かばね
)
は橋上を埋め、血は
橋桁
(
はしげた
)
からしたたって、瀬田の流れを
紅
(
あか
)
くした。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
橋桁
(
はしげた
)
へ立て。あれなる橋桁の上を進んで近々と射よ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
橋桁
(
はしげた
)
にもたれたまま、
般若
(
はんにゃ
)
がやがてつぶやいています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
桁
常用漢字
中学
部首:⽊
10画
“橋”で始まる語句
橋
橋梁
橋杭
橋場
橋袂
橋詰
橋畔
橋架
橋本
橋板