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横川
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よかわ
ふりがな文庫
“
横川
(
よかわ
)” の例文
笹の峰、薬王坂などの険しい道を進み、ようやく
横川
(
よかわ
)
の
解脱谷
(
げだつだに
)
にある
寂定坊
(
じゃくじょうぼう
)
に
辿
(
たど
)
り着かれた。ところが多くの僧たちは騒ぎ立てた。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
二日の朝、都にある
叡山
(
えいざん
)
の
横川
(
よかわ
)
の旧友から、赦免を祝う手紙がとどいた。そのほかの人々からも急に、ここへ届けられる書状が
殖
(
ふ
)
えだした。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薫
(
かおる
)
は山の
延暦寺
(
えんりゃくじ
)
に着いて、常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ。
横川
(
よかわ
)
の寺へは翌日行ったのであるが、
僧都
(
そうず
)
は大将の親しい
来駕
(
らいが
)
を喜んで迎えた。
源氏物語:56 夢の浮橋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
或る日の明け方、二人は上人の仰せをうけて、
横川
(
よかわ
)
の僧正の許へ使いにやられた帰り路に、人通りの稀な杉の木蔭に腰をおろして、暫く疲れを休めて居た。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
十一月一日 往年
横川
(
よかわ
)
中堂にてはじめて渋谷
慈鎧
(
じがい
)
に
邂逅
(
かいこう
)
。今は京の真如堂の住職。その還暦祝に句を徴されて。
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
その声を浴びた
横川
(
よかわ
)
の僧都が、どんなに
御悄
(
おしお
)
れなすったか、それは別段とり立てて申すまでもございますまい。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから今一つは祖父が壮年のころ、叡山の奥の院、
横川
(
よかわ
)
の寺に何とかいう名の老僧があって、それが、幾代か前に尾芝から出た人というので対面を行った。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
多武峰
(
とうのみね
)
の増賀上人、
横川
(
よかわ
)
の
源信
(
げんしん
)
僧都
(
そうず
)
、皆いずれも当時の高僧で、しかも保胤には
有縁
(
うえん
)
の人であったし、其他にも然るべき人で得度させて呉れる者は沢山有ったろうが
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一体御前方はただ
歩行
(
ある
)
くばかりで
飛脚
(
ひきゃく
)
同然だからいけない。——叡山には
東塔
(
とうとう
)
、
西塔
(
さいとう
)
、
横川
(
よかわ
)
とあって、その三ヵ所を毎日往来してそれを修業にしている人もあるくらい広い所だ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひえの
紅葉
(
もみじ
)
も
長柄
(
ながら
)
の
錦
(
にしき
)
も
横川
(
よかわ
)
の月を見やりたまいしも、金がなくてはさらにおかしくもおもしろくもあるまじ、ただ世の中は黄金にこそ天地もそなわり、万物みなみなこれがなすところにして
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
「法皇には、昨夜おそく、ひそかに院を忍び出られ、鞍馬より
横川
(
よかわ
)
を経て、義仲の陣営にあてられている
延暦寺
(
えんりゃくじ
)
へ
御幸
(
みゆき
)
あそばされてしもうたらしい」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼間
横川
(
よかわ
)
の方へ
海布
(
め
)
の
引乾
(
ひきぼし
)
を差し上げた時に、大将さんがおいでになって、にわかに
饗応
(
きょうおう
)
の
仕度
(
したく
)
をしている時で、いいおりだったというお返事がありましたよ
源氏物語:56 夢の浮橋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
金襴
(
きんらん
)
の
袈裟
(
けさ
)
、水晶の
念珠
(
ねんず
)
、それから白い双の眉毛——一目見ただけでも、
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に
功徳無量
(
くどくむりょう
)
の名を轟かせた、
横川
(
よかわ
)
の
僧都
(
そうず
)
だと申す事は疑おうようもございません。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
中途で退出したことを
聞召
(
きこしめ
)
されて大いに
御気色
(
みけしき
)
を損ぜられたので、浄蔵は深く
勅勘
(
ちょっかん
)
の身を
慎
(
つゝし
)
み、三箇年の間
横川
(
よかわ
)
の
首楞厳院
(
しゅりょうごんいん
)
に
籠居
(
ろうきょ
)
して修練苦行の日を送ったと云うが、世間一般の人々は
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
八月三日 叡山
横川
(
よかわ
)
中堂。七月三十日雷火のため炎上。渋谷慈鎧座主に贈る。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
東
(
とう
)
は
修羅
(
しゅら
)
、
西
(
さい
)
は都に近ければ
横川
(
よかわ
)
の奥ぞ住みよかりけると云う歌がある通り、横川が一番
淋
(
さび
)
しい、学問でもするに好い所となっている。——今話した
相輪橖
(
そうりんとう
)
から五十丁も
這入
(
はい
)
らなければ行かれない
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「では。……先日から再三、お
許
(
もと
)
に使いをよこしておる
横川
(
よかわ
)
の
和尚
(
おしょう
)
の用向きも、何かそれについての嘆願じゃの」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薬師仏の供養をその時にすることもあるので
叡山
(
えいざん
)
へも時々行く大将であったから、そこの帰りに
横川
(
よかわ
)
へ寄ろうと思い、浮舟の異父弟をも供の中へ入れて行った。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
横川
(
よかわ
)
の僧都は、今
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に
法誉無上
(
ほうよむじょう
)
の
大和尚
(
だいおしょう
)
と承わったが、この法師の眼から見れば、天上皇帝の照覧を
昏
(
くら
)
まし奉って、
妄
(
みだり
)
に鬼神を使役する、云おうようない
火宅僧
(
かたくそう
)
じゃ。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
恰
(
あたか
)
も当時滋幹は、しば/\叡山の
横川
(
よかわ
)
に
定心房
(
じょうしんぼう
)
良源を訪ねて佛の教を聴いていたので、彼がもしその帰るさに道を
雲母坂
(
きらゝざか
)
に取って下山したならば、つい母の住む
麓
(
ふもと
)
の里へ出られたのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
三月二十四日 比叡山
横川
(
よかわ
)
行。
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
大四明峰
(
だいしめいのみね
)
の南嶺に高く
位
(
くらい
)
しているので、東塔西塔はいうまでもなく、
横川
(
よかわ
)
、
飯室
(
いいむろ
)
の谷々も
坐
(
い
)
ながらに見える。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弟の禅師が僧都の弟子になって山にこもっているのを
訪
(
たず
)
ねに兄たちはよく寺へ上った。
横川
(
よかわ
)
へ行く道にあたっているために中将はときどき小野の尼君を訪ねに寄った。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「その範宴が、
明日
(
あす
)
から
横川
(
よかわ
)
の
禿谷
(
かむろだに
)
で、講義をひらくということだが——」と、思いだしたようにいうと
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのころ
比叡
(
ひえ
)
の
横川
(
よかわ
)
に
某僧都
(
なにがしそうず
)
といって人格の高い僧があった。八十を越えた母と五十くらいの妹を持っていた。この親子の尼君が昔かけた願果たしに
大和
(
やまと
)
の
初瀬
(
はせ
)
へ
参詣
(
さんけい
)
した。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
すると、この頃になって、毎夜のように、山には出火が
頻々
(
ひんぴん
)
と起った。ゆうべは、
横川
(
よかわ
)
の大乗院の
薪倉
(
まきぐら
)
から、おとといの夜は、
飯室谷
(
いいむろだに
)
の滝見堂から、
小火
(
ぼや
)
があった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中宮は堅い御決心を兄宮へお告げになって、
叡山
(
えいざん
)
の
座主
(
ざす
)
をお招きになって、授戒のことを仰せられた。
伯父
(
おじ
)
君にあたる
横川
(
よかわ
)
の
僧都
(
そうず
)
が帳中に参ってお
髪
(
ぐし
)
をお切りする時に人々の
啼泣
(
ていきゅう
)
の声が宮をうずめた。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
揺するように、
横川
(
よかわ
)
で鳴ると、
西塔
(
さいとう
)
や、東塔の谷でも、ごうん、ごうん……と鐘の音が答え合った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「たずねてみましても、
横川
(
よかわ
)
の
亮信阿闍梨
(
りょうしんあじゃり
)
は、これにおらぬ由でございます」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また御城門まで、
横川
(
よかわ
)
の和尚の弟子が参りまして、
強
(
た
)
って、もう一応、この書面を御城主へ取り次いで欲しいと申し、何と
刎
(
は
)
ねつけても、命をかけて来たお使いですからといって、立ち帰りません。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
“横川”で始まる語句
横川氏
横川景三
横川巡
横川勘平
横川政所
横川勇次氏