“禿谷”の読み方と例文
読み方割合
かむろだに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
講義が大事か、お体が大事か、それくらいなことは、お分りと存じますに、毎日、危険をおかしてまで、禿谷かむろだにへお出かけになるのはいかがと存じます。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まあ、いちど行ってみろ」禿谷かむろだにの講堂は、一日ごとに大衆でうずまった。法筵ほうえんにすわれない人々は講堂の縁だの窓の外に立って彼の声だけを聞いていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長い日も暮れて、禿谷かむろだにの講堂にも霧のようなものが流れこんできた。講堂の三方から壁のように見える山のひだには、たそがれの陰影が紫ばんで陽はうすずきかけている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)