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榛
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はしばみ
ふりがな文庫
“
榛
(
はしばみ
)” の例文
青年はその
榛
(
はしばみ
)
の樹のそばの井戸の
所在
(
ありか
)
を老人に訊いてみるが、老人はもう五十年もこの島にゐて、まだ井戸の水が湧き出すのを見ない。
鷹の井戸
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
榛
(
はしばみ
)
やロワンの樹のほそ枝でより曲げられた杖を造った、そして
蘆
(
あし
)
の笛をふく盲目の乞食になって、月の昇ろうとする頃出て行った。
約束
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
こんどは路傍の
榛
(
はしばみ
)
の木の枝で、大妖が親蜂を発見した。例によって時計を出して計ってみると、六分ばかり掛かって帰ってきた。
採峰徘菌愚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
さうすると、やたらに茨の
棘
(
とげ
)
がひつかかり出して、道は深い
榛
(
はしばみ
)
の叢みの中へはいるが、それでもかまはず、さきへさきへと行かつしやれ。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
或
(
ある
)
ひは
足下
(
おぬし
)
の
目
(
め
)
の
色
(
いろ
)
が
榛色
(
はしばみいろ
)
ぢゃによって、そこで
相手
(
あひて
)
が
榛
(
はしばみ
)
の
實
(
み
)
を
噛割
(
かみわ
)
ったと
言
(
い
)
ふだけの
事
(
こと
)
で、
鬪爭
(
けんくわ
)
を
買
(
か
)
ひかねぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
二つの眼は
漆黒
(
しっこく
)
の
榛
(
はしばみ
)
のようで、鋭い輝きを放っているのは、大胆を示すものだと私は時どきに思うのであるが、それに恐怖の情の著るしく含まれたように
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
榛
(
はしばみ
)
の茂みや
樅
(
もみ
)
の木立が道の両側に並んでいた。四方ふさがれた小さな世界に似ていた。前後の曲がり角で、道は宙に浮いてそこで終わってるかのようだった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
櫟
(
くぬぎ
)
、
榛
(
はしばみ
)
などの落葉がからからに
乾
(
ひ
)
からびて、一歩一歩踏んで行く草鞋をややもすると
辷
(
すべ
)
らせようとする。
茸をたずねる
(新字新仮名)
/
飯田蛇笏
(著)
小石川清水谷の坂を下ると、左手に樫や
榛
(
はしばみ
)
の大樹が欝蒼と繁茂している——その高台が劫楽寺だ。
後光殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
風鈴草
(
ふうりんさう
)
、
色
(
いろ
)
つぽい
音
(
ね
)
の鈴、春ここにちりりんと鳴る、
榛
(
はしばみ
)
の樹が作る
筋違骨
(
すぢかひぼね
)
の
下
(
した
)
に
蹲
(
うづくま
)
る色よい
少女
(
をとめ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
処はジル湖の大部を占める、
榛
(
はしばみ
)
の林に掩はれた、平な島の岸である、其傍には顔の
赭
(
あか
)
い十七歳の少年が、蠅を追つて静な水の面をかすめる
燕
(
つばくら
)
の群を見守りながら坐つてゐる。
春の心臓
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
やがて時計が四時を打とうとしているので、にんじんは、矢も
楯
(
たて
)
もたまらず、ルピック氏と、兄貴のフェリックスを起こすのである。二人は、裏庭の
榛
(
はしばみ
)
の木の下で眠っていた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
葉をそよがせる
柊
(
ひいらぎ
)
も常盤木も一本もないからだ。そして裸になつた
山櫨
(
さんざし
)
も
榛
(
はしばみ
)
の藪も、まるで道路の中央に敷いてある白い
磨
(
す
)
り減らした石のやうに
凝
(
じつ
)
と身動きもしないのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
河の岸に生茂つた樺や
榛
(
はしばみ
)
や「サツサフラス」の小枝を押し分け乍ら、岸に沿うて登つて行くに、樹々の枝に蔓を渡して、
往方
(
ゆくて
)
の途に網を張つた、野生の葡萄が、折々足に搦んで、その困難
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
そこにはまた
榛
(
はしばみ
)
の実が苔が附いて褐色をして、山と積み上げられていた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
禰宜
榛
(
はしばみ
)
(神職
名
(
な
)
)様がおっしゃる。
樹
(
き
)
の枝へなりと掛けぬかい。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
狩猟小舎を建てた時
榛
(
はしばみ
)
の木の
炉縁
(
ろぶち
)
を作ったら
アイヌ神謡集
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
榛
(
はしばみ
)
の、やさしい森に繞られて。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
岩と石の険しい道をのぼつて行くと、三本の
榛
(
はしばみ
)
の樹がどんぐりを落し枯葉をおとす井戸があつた。
鷹の井戸
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
榛
(
はしばみ
)
といじけた
小樫
(
こがし
)
とがまわりに茂ってる頂上の高台から見おろすと、木立のある斜面や、紫色の
靄
(
もや
)
に包まれた
樅
(
もみ
)
の
梢
(
こずえ
)
や、青々とした谷間を流れるライン河の長い帯が見えていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
御者
(
ぎょしゃ
)
は
懶惰
(
ぶしゃう
)
な
婢
(
はしため
)
の
指頭
(
ゆびさき
)
から
發掘
(
ほじりだ
)
す
彼
(
か
)
の
圓蟲
(
まるむし
)
といふ
奴
(
やつ
)
の
半分
(
はんぶん
)
がたも
無
(
な
)
い
鼠裝束
(
ねずみしゃうぞく
)
の
小
(
ちひ
)
さい
羽蟲
(
はむし
)
、
車體
(
しゃたい
)
は
榛
(
はしばみ
)
の
實
(
み
)
の
殼
(
から
)
、それをば
太古
(
おほむかし
)
から
妖精
(
すだま
)
の
車工
(
くるまし
)
と
定
(
きま
)
ってゐる
栗鼠
(
りす
)
と
蠐螬
(
ぢむし
)
とが
製
(
つく
)
りをった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
榛
(
はしばみ
)
の茂みが家の土台ぎはから生ひはびこつて、池の汀へとすべり下りてゐる。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
渋い
林檎
(
りんご
)
がみんなちぎられ、
榛
(
はしばみ
)
の実がことごとく割られる。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
榛
(
はしばみ
)
ン中で。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
蛇麻草
(
ホップ
)
の蔓が下では
接骨木
(
にわとこ
)
やななかまどや
榛
(
はしばみ
)
の繁みをすっかり枯らしてしまい、それから柵という柵の天辺を
匍
(
は
)
いまわった挙句、上へよじのぼって、折れた白樺を半ばまでぐるぐる巻きにしている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
榛
(
はしばみ
)
のうつろの実
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
榛
漢検準1級
部首:⽊
14画
“榛”を含む語句
榛原
榛莽
榛沢
山榛
榛谷
榛原郡
榛名
榛名山
深山榛
榛名湖
榛軒
榛名梅香団扇画
榛樹
榛實
荊榛
後開榛名梅ヶ香
印度藪榛生活
榛楛
狭野榛能
榛野
...