日数にっすう)” の例文
旧字:日數
そのうちに、日数にっすうがたって、砂漠さばくとおりすぎてしまいました。ある晩方ばんがた二人ふたりは、前方ぜんぽうに、紫色むらさきいろうみたのであります。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、そのために、学校がっこう出席しゅっせきする日数にっすうがたりなくて、ことしは、試験しけんをうける資格しかくを、とうとうなくしちゃったんさ。
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
ろくに睡眠時間もとらないで、この組立に急いだ結果、四日という短い日数にっすうのうちに、新しい第二装置ができあがった。しかし学士はあの事件以来、何とはなく大変疲れているようであった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「やッぱり予定通りの日数にっすうは動かずにいるよりほかに仕方がないでしょうね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは前に掲げました実例通り、ドッペルゲンゲルの出現は、屡々しばしば当事者の死を予告するからでございます。しかし、その不安のなかにも、一月ばかりの日数にっすうは、何事もなく過ぎてしまいました。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そして、また、それがむかしのようになるのには、どれほど、おおくの労力ろうりょく日数にっすうとがかからなければ、ならぬかということをったのであります。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、電気でんきが、にぎやかな街々まちまちにつくのも、てんでのうちにきたのも、そこには、たくさんなひとたちの労力ろうりょくとそれについやされた日数にっすうがあったことをかんがえなければなりません。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、こちらへきてから、だいぶ日数にっすうがたちました。かのじょは、あさはやきると、食事しょくじ仕度したくをし、それがわると、主人しゅじんのくつをみがき、また縁側えんがわをふいたりするのでした。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、そこでは、わずかな日数にっすうかぎって、そのあいだは、野菜物やさいものやするのでありました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし一人ひとり武士ぶしが、殿とのさまのお使つかいで、たびかけました。おもいのほか日数にっすうがかかり、ようがすんで、帰途きとにつきましたが、いいつけられたまでに、もどれそうもありませんでした。
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
日数にっすうがたってから、そのとりが、いかるがであることもわかりました。なんでも、はとの種族しゅぞくぞくするこのとりは、とりなかでもよく大空おおぞら自由じゆうける、つばさつよとりだということをりました。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、季節きせつあきなかばだったからです。そのたまご孵化ふかして一ぴきのむしとなって、からだ自分じぶんのようなうつくしいはねがはえて自由じゆうにあたりをべるようになるには、かなりの日数にっすうがなければならぬからでした。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)