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押立
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おった
ふりがな文庫
“
押立
(
おった
)” の例文
黒いところはすっかり洗い落されて、昔に変るのは
茶筅
(
ちゃせん
)
を
押立
(
おった
)
てた頭が
散切
(
ざんぎり
)
になっただけのこと。
身体
(
からだ
)
には
盲目縞
(
めくらじま
)
の筒袖を着ていました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かくして
後
(
のち
)
、思い思いに敵を見立てて渡合う。例の
口汚
(
くちぎたな
)
の女房は、若手の令嬢組の
店頭
(
みせさき
)
に
押立
(
おった
)
ち、口中
得
(
え
)
ならぬ
臭気
(
におい
)
を吐きて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葛籠
(
つづら
)
を
押立
(
おった
)
てて、
天窓
(
あたま
)
から、その尻まですっぽりと安置に及んで、秘仏はどうだ、と
達磨
(
だるま
)
を
極
(
き
)
めて、
寂寞
(
じゃくまく
)
として
定
(
じょう
)
に
入
(
い
)
る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
十本のかすがいで足にくっつけ、その真中に二本の釘を
押立
(
おった
)
てて、その下を土で固め、それへ人間の首をつき刺して、そうして、
梟物
(
さらしもの
)
が出来あがるんだよ。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
続いたのが、例の
高張
(
たかはり
)
を揚げた威勢の
可
(
い
)
い、水菓子屋、
向顱巻
(
むこうはちまち
)
の結び目を、山から飛んで来た、と
押立
(
おった
)
てたのが、仰向けに
反
(
そり
)
を打って、
呵々
(
からから
)
と笑出す。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ことにおかしいのはその頭で、
茶筅
(
ちゃせん
)
を頭の真中で五寸ばかり
押立
(
おった
)
てている
恰好
(
かっこう
)
たらない。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
心あって鳴くようで、何だか上になった、あの
蔕
(
へた
)
の取手まで、小さな
角
(
つの
)
らしく
押立
(
おった
)
ったんです。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肩でこう
捻向
(
ねじむ
)
いて高く上を視る処に、耳はねえが、あのトランプのハアト形に
頭
(
かしら
)
を
押立
(
おった
)
った
梟
(
ふくろ
)
ヶ
嶽
(
たけ
)
、梟、梟と一口に
称
(
とな
)
えて、何嶽と言うほどじゃねえ、丘が
一座
(
ひとくら
)
、その
頂辺
(
てっぺん
)
に
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寝っちまえ! ぐッと
引被
(
ひっかぶ
)
ると、開いたのか、塞いだのか、分別が着かぬほど、見えるものはやっぱり見えて、おまけに、その白いものが、段々拡がって、前へ出て、
押立
(
おった
)
って
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御覧なさい。余計な耳を
押立
(
おった
)
てて、
垂頬
(
たれほ
)
で、ぶよぶよッちゃアありゃしない。……でも場所が場所だし、目に着くことといったら、国一番この通りですからね。——この
鶏
(
とり
)
を。」
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若旦那の方の
年紀
(
とし
)
とも言わない額に刻んだ幾筋かの
皺
(
しわ
)
で、短く一分刈かと見える
頭
(
つぶり
)
は、坊さんのようで、福々しく耳の
押立
(
おった
)
って
大
(
おおき
)
いのに、引締った口が窪んで、大きく見えるまで
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大釜
(
おおがま
)
に湯気を
濛々
(
もうもう
)
と、狭い
巷
(
ちまた
)
に
漲
(
みなぎ
)
らせて、
逞
(
たくま
)
しい
漢
(
おのこ
)
が
向顱巻
(
むこうはちまき
)
で
踏
(
ふみ
)
はだかり、青竹の
割箸
(
わりばし
)
の逞しいやつを使って、
押立
(
おった
)
ちながら、二尺に余る
大蟹
(
おおがに
)
の
真赤
(
まっか
)
に
茹
(
ゆだ
)
る処をほかほかと引上げ引上げ
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
燻
(
くすぶ
)
った、その癖、師走空に
澄透
(
すみとお
)
って、
蒼白
(
あおじろ
)
い陰気な
灯
(
あかり
)
の前を、ちらりちらりと冷たい魂が
徜徉
(
さまよ
)
う姿で、
耄碌頭布
(
もうろくずきん
)
の
皺
(
しわ
)
から、
押立
(
おった
)
てた古服の
襟許
(
えりもと
)
から、汚れた襟巻の
襞襀
(
ひだ
)
の中から、
朦朧
(
もうろう
)
と
顕
(
あらわ
)
れて
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
牙と舌を
剥出
(
むきだ
)
して、犬ですね、
狆
(
ちん
)
か
面
(
つら
)
の長い洋犬などならまだしも、尻尾を
捲上
(
まきあ
)
げて、耳の
押立
(
おった
)
った、痩せて
赤剥
(
あかはげ
)
だらけなのが
喘
(
あえ
)
ぎながら
掻食
(
かっくら
)
う、と云っただけでも浅ましさが——ああ、そうだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肩がわりの念入りで、
丸太棒
(
まるたんぼう
)
で
担
(
かつ
)
ぎ出しますに。——丸太棒めら、丸太棒を
押立
(
おった
)
てて、ごろうじませい、あすこにとぐろを巻いていますだ。あのさきへ矢羽根をつけると、掘立普請の
斎
(
とき
)
が出るだね。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
結び目の
押立
(
おった
)
って、威勢の
可
(
い
)
いのが、弁慶
蟹
(
がに
)
の、濡色あかき
鋏
(
はさみ
)
に似たのに、またその左の腕
片々
(
かたかた
)
、へし曲って脇腹へ、ぱツと
開
(
あ
)
け、ぐいと握る、指と
掌
(
てのひら
)
は動くけれども、
肱
(
ひじ
)
は
附着
(
くッつ
)
いてちっとも伸びず。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
隧道
(
トンネル
)
の中へ
押立
(
おった
)
った耳が映ったようだね。」
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
きかぬ気の宰八、
紅
(
くれない
)
の
鋏
(
はさみ
)
を
押立
(
おった
)
て
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“押立”の解説
押立(おしたて)は、東京都稲城市の町名。郵便番号は206-0811。
(出典:Wikipedia)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“押立”で始まる語句
押立尻
押立膝