恐縮きようしゆく)” の例文
留守中るゐちうこれは失禮しつれいでした。さいませんので、女中ぢよちうばかり‥‥や、つまらんもの差上さしあげて恐縮きようしゆくしました』と花竦薑はならつきやう下目しためる。
が、いづれにも、しかも、なかにも恐縮きようしゆくをしましたのは、汽車きしややくつた一にんとして、驛員えきゐんこと驛長えきちやうさんの御立會おたちあひつたことでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さう言つて、よく肥つた白い身體を、恐縮きようしゆくし切つてゐる八五郎へもたれかけるお鳥です。
先方せんぱうではおほい恐縮きようしゆくして、いろ/\相談さうだんすゑ名高なだか針醫はりいなくなつて、藥箱くすりばこ不用ふようになつてゐたのをり、それを療法れうはふれいとしておくつてたのが、この藥箱くすりばこで、見事みごと彫刻てうこくがしてあつて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その坂井さかゐには元日ぐわんじつあさはや名刺めいしんだだけで、わざと主人しゆじんかほずにもんたが、義理ぎりのあるところ一日いちにちのうちにほゞ片付かたづけ夕方ゆふがたかへつてると、留守るすあひだに、坂井さかゐがちやんとてゐたので恐縮きようしゆくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これは恐縮きようしゆくいたりです
平次はすつかり恐縮きようしゆくしてしまひました。どうも一番あつかひ惡い種類のお客樣です。
ものをくらべるのは恐縮きようしゆくだけれど、むかし西行さいぎやうでも芭蕉ばせをでも、みな彼処あすこでははらいためた——おもふに、小児こどもときから武者絵むしやゑではたれもお馴染なじみの、八まん太郎義家たらうよしいへが、龍頭たつがしらかぶと緋縅ひおどしよろいで、奥州合戦おうしうかつせんとき
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「どうも恐縮きようしゆくです。」
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)