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山越
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やまごえ
ふりがな文庫
“
山越
(
やまごえ
)” の例文
滝見屋
(
たきみや
)
というところで、
腹
(
はら
)
をこしらえ、弁当を用意し、
先達
(
せんだつ
)
を雇っていよいよ出発したが、この
山越
(
やまごえ
)
は僕には非常に難儀なものであった。
遍路
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私
(
わたし
)
が今話の
序開
(
じょびらき
)
をしたその飛騨の
山越
(
やまごえ
)
をやった時の、
麓
(
ふもと
)
の茶屋で
一緒
(
いっしょ
)
になった
富山
(
とやま
)
の売薬という
奴
(
やつ
)
あ、けたいの悪い、ねじねじした
厭
(
いや
)
な
壮佼
(
わかいもの
)
で。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とさも
無雑作
(
むぞうさ
)
に云っちまった。ちょうど炭屋が
土釜
(
どがま
)
を台所へ
担
(
かつ
)
ぎ込んだ時のように思われた。人間が
遥々
(
はるばる
)
山越
(
やまごえ
)
をして坑夫になりに来たんだとは認めていない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是
(
これ
)
と
云
(
い
)
ふ
職
(
しよく
)
はありませんが
薬屋
(
くすりや
)
の息子でございますから、
熊
(
くま
)
の
膏薬
(
かうやく
)
を
練
(
ね
)
ることを知つて
居
(
を
)
りますから、
膏薬
(
かうやく
)
を
拵
(
こしら
)
へて
山越
(
やまごえ
)
をしてあつち
此方
(
こつち
)
を
売
(
う
)
つてゐるのでございます。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
山越
(
やまごえ
)
よ五浦少女、
日中
(
ひなか
)
より影をつづりて、もてなしと我にまゐると、
魚
(
とと
)
持
(
も
)
て
来
(
く
)
、瓶子かかへ
来
(
く
)
、五器そろへ、お膳持て来る。一閑張・筆・墨・硯、さて紙帳、くくり枕や、夜のものと
衾
(
ふすま
)
持て
来
(
く
)
る。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
私
(
わし
)
が
今
(
いま
)
話
(
はなし
)
の
序開
(
じよびらき
)
をした
其
(
そ
)
の
飛騨
(
ひだ
)
の
山越
(
やまごえ
)
を
遣
(
や
)
つた
時
(
とき
)
の、
麓
(
ふもと
)
の
茶屋
(
ちやゝ
)
で一
所
(
しよ
)
になつた
富山
(
とやま
)
の
売薬
(
ばいやく
)
といふ
奴
(
やつ
)
あ、けたいの
悪
(
わる
)
い、ねぢ/\した
厭
(
いや
)
な
壮佼
(
わかいもの
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
山越
(
やまごえ
)
をなさった
画
(
え
)
の先生が、茶店の婆さんにわざわざ御頼みになったそうで御座います」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
な
)
んだ
玉子酒
(
たまござけ
)
をして
食
(
く
)
ひやがつて、
亭主
(
ていしゆ
)
は
山越
(
やまごえ
)
をして
方々
(
はう/″\
)
商
(
あきなひ
)
をしてゐるに、
嬶
(
かゝ
)
アは
玉子酒
(
たまござけ
)
をして
食
(
くら
)
やアがる、まだあまつてゐるが
飲
(
の
)
んでやれ、オイ
誰
(
だれ
)
だおくまか、どこへ
行
(
い
)
つたんだ。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
近ごろある人に聞く、福井より三里
山越
(
やまごえ
)
にて、杉谷という村は、山もて囲まれたる湿地にて、
菅
(
すげ
)
の産地なり。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな動物といっしょに夜
山越
(
やまごえ
)
をしたとすると、誰だって物騒な気持になる。自分はこの時この小僧の事を今考えても、妙な感じが出て来る。さっき
蝙蝠
(
こうもり
)
のようだと云ったが、全く蝙蝠だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、その時の絵のような美しさが、
可懐
(
なつか
)
しさの余り、今度この
山越
(
やまごえ
)
を思い立って参ったんです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
私
(
わし
)
は、
山越
(
やまごえ
)
で
信州
(
しんしう
)
へ
参
(
まゐ
)
ります
者
(
もの
)
ですが
旅籠
(
はたご
)
のございます
処
(
ところ
)
までは
未
(
ま
)
だ
何
(
ど
)
の
位
(
くらゐ
)
ございませう。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
元の
巌殿
(
いわど
)
へ
引返
(
ひっかえ
)
して、
山越
(
やまごえ
)
で
出奔
(
しゅっぽん
)
する
分
(
ぶん
)
の事です。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“山越”の解説
山越(さんえつ)とは、古代中国の異民族、不服従民である。揚州丹陽郡周辺を本拠とし、同地を領有した孫策・孫権、及び彼らの興した呉に対してしばしば反乱を起こした。
(出典:Wikipedia)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車